放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ14)

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149:大ﾁｬﾝの涙　雅紀Side　ページ14

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大ﾁｬﾝからの電話は待てど暮らせどこなかった。

俺からかけた電話も、呼び出すだけで出なかった。

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なんかあったのかな・・・。

いい方と、悪い方をいっぺんに考えて訳わかんなくなってたある日の夜。

突然大ﾁｬﾝから電話が鳴って、超ダッシュで言われた場所に走った。

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雅「・・・っおっそいよ！」

智「いや、待ってたの俺でしょ(笑)」

雅「そーじゃなくて、電話っ。くれるっつったろ？」

智「ぁー・・・わりぃ。そだったね」

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あの日花火をした土手に、体育座りしてる大ﾁｬﾝの横には

吸い殻まみれの空き缶と、握りつぶされたタバコの空き箱。

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雅「どんくらいここにいんの・・・？」

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そっと声をかけると、質問には答えずに。

ぼんやり前をみたまんま大ﾁｬﾝは呟くように言った。

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智「・・・俺ね」

雅「なに」

智「相葉ﾁｬﾝほどじゃねぇけど・・・バカなのはわかってるし」

雅「・・・・・ぉぃ」

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智「でもそれなりに、頑張って・・・頑張って、考えたよ」

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綺麗に浮かんでいた月が、雲に覆われて夜がもっと夜になる。

深い深い藍色に包まれた俺たちのまわりで、か細く虫が鳴いていた。

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智「もう寝ないで考えた・・・まじで(笑)」

雅「・・・なにがあったの」

智「バカでも、すんげぇ必死に考えりゃわかんじゃねぇかって・・・
思ったんだ」

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大ﾁｬﾝは笑ってるように話してたから。

だから隣をみて驚いた。

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智「っ散々・・・考えて・・・結局わかったのって」

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吐く息が、震えてる。

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音もなく零れる涙が、大ﾁｬﾝの頬で光る。

大ﾁｬﾝが・・・・・泣いてる。

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智「・・・すげぇ好きだって、ことだけ」

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ゆっくりと下を向く。

そのまま

声を殺して、大ﾁｬﾝは泣いた。

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震わす肩にドキドキしながら手を乗せて、ゆっくりトントンとした。

大ﾁｬﾝ。大ﾁｬﾝ。

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雅「・・・いいよ、泣いちゃいな」

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ごめんね、やっぱ俺バカなのかな。

大丈夫だって、そう言ってあげたいのに声がでないよ。

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