放課後の背中part5 【Satoshi】 (ページ1)

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こんなタイミングでくしゃみをした私を

大野君はゆっくりと笑った。

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智「ひぃっくしょん、って何だよ(笑)」

「そんなくしゃみじゃないでしょ//」

智「ひぃっ、でもう目つぶってたし(笑)」

「くしゃみするとこなんて、見なくていいっ」

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私が悲しい顔をすると、大野君は笑顔に戻してくれる。

私がにっこり笑うまで、そうやって優しい目で傍にいてくれる。

大野君のどこか寂しそうな笑顔を見ながら、それが嬉しかった。

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智「着るもんは？夏風邪ひいたらダメでしょ、センセなんだから」

「・・・だいじょぶ」

そう言ってカーディガンを羽織る私を待ってから

智「んー・・・そんじゃ、帰るか」

深いため息と一緒に呟いた。

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走り出して気づいた時には、もう大野君は眠ったようだった。

スゥスゥと微かに聞こえる寝息に、息を一つつく。

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今日も、朝早かったんだろうな・・・。

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ゆっくり上下する背中を横目でみてから、また前に顔を戻す。

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自分の決めたことが、本当に正しかったのかをぼんやり思う。

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今が、大野君と私のギリギリのラインだと思った。

ここを超えてしまったら、本当にもう戻れない恋になる。

それだけははっきりと、どこかでわかっていた。

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翔と、ちゃんと向き合おう。

あの日翔と出会って芽生えた気持ちは、過去の繰り返しなんかじゃなくて
純粋な想いからだと心で確かめたかった。

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翔が、私だけを見てくれていると、確かめたかった。

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その時。

後部座席で、私の携帯が震える音がした。

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