検索窓
今日:41 hit、昨日:30 hit、合計:77,108 hit

第五十五話 戻れない過去戻らない過去 ページ6

芹沢の部屋から明かりが消えてから半時程が経ち、ようやく土方さん達がやってきて、私は土方さんの後に続き、自身の刀を抜いて芹沢の部屋へ向かう。山南さんと総司が私達の反対側へ向かったのを確認し、土方さんが襖の扉を開けると、中には真新しい血を刀から滴らせる芹沢が仁王立ちで待ち構えていた。

芹沢「ようやく、来たか……遅かったな」

芹沢の近くには血塗れた女が横たわっており、私は唇をかみ締め、芹沢を睨みつける。

土方「──あんたはやり過ぎたんだ……芹沢さん──新選組の為に死んでもらう」

芹沢「フン……貴様らがこの俺を殺すだと?面白い冗談だ」

土方「冗談でも何でもねぇ。伊達や酔狂でこんな物抜けるはずねぇだろ。新選組の為ならば、どんな罪でも被って地獄の鬼にでも……なってやるさ!」

芹沢「そうか。本当の鬼になると……そう抜かすか!!」

口元に笑みを浮かべたまま、芹沢は刀を土方さんに向かって振り下ろした。
四対一だ──自分の方が分が悪い事ぐらい芹沢も分かっているだろう。そのせいか、隙が全く見当たらない。
その時、中庭の方からここに居るはずのない龍之介の声が聞こえ、思わず目を見張る。

井吹「止めろ!!止めてくれぇぇ!!」

『龍之介…』

源さんが必死に龍之介を止めるが、龍之介はもがき、こちらへ来ようとする。それを見兼ねた私は龍之介の元へ行き、龍之介の喉元へ切先を向ける。

『動かないで。もしそれ以上動くなら……殺す』

井吹「っ…!」

『──何故来てしまったの……龍之介』

井吹「頼む、A……止めてくれ──その人は、病気なんだ!!」

『え……芹沢が…?』

土方「だからどうした……俺たちはもう──後には引けねぇんだよ!!」

その時、土方さんの一太刀が芹沢の腕に入った。直後、芹沢は寝巻きの袖から変若水の入った瓶を取り出し、それを口に含んだ。

第五十六話 せいぎとぎせいの間違い探し→←第五十四話 ならず者には制裁を



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司 , 新選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。