検索窓
今日:33 hit、昨日:30 hit、合計:77,100 hit

第八十七話 浮き腰に手を添えて ページ38

藤堂「オレたち全員で?いつもは手分けして順番に見回りしてるのに……」

土方さんはその問いには答えず、私の方へちらりと視線を送ってくる。
これって、多分……私が逃げた時のことを想定しての人選なんだと思う。
平助君もそのことを察したのか、それ以上問いを投げかけることはなかった。

沖田「……言いたいことはわかりましたけど、この子のお守りを僕たちに任せっぱなしってのは、気に入らないなあ」

『今日は確か……土方さんも外出する予定が入ってましたよね?今後の為にも、可愛い小姓を同行させて、色々勉強させたらどうですか?』

口元に手を当てて、いたずらっ子のような笑みを浮かべるAさんに、土方さんは眉間のシワを濃くさせた。

土方「A…」

『土方さん、顔怖いですよ?あまり放っておくと、他の隊士たちが千鶴ちゃんのこと、疑い出すかもしれないじゃないですか』

沖田「Aの言う通りですよ。千鶴ちゃんに相応の仕事をさせた方がいいんじゃないですか?」

沖田さんとAさんの二人と土方さんが言い争いを始めて、場の雰囲気が剣呑になる中、原田さんが小声で言ってくれる。

原田「……ま、今の京は物騒だし、無理に出かける必要はねえと思うぜ。俺たちも一応、綱道さんの顔はわかるんだしな」

千鶴「えっと……」

父様がまだ居ると期待して伏見に行くか。もう発ったと考えて巡察で市中を捜すか。あるいは立場を考えて屯所に残ったり、小姓として土方さんに付き合うか……父様の行方を知ることが私にとって最大の目的だけど……今の状況だと、私が外出することは歓迎されてないよね。

千鶴「……せっかくのお話ですが、今日は留守番をすることにします」

藤堂「えっ、何でだよ?綱道さんを捜すせっかくの機会だろ」

千鶴「うん。でも立場が立場だし、機会はきっとまだあるから……」

平助君はどこか納得のいかない表情だったが、横からAさんが「平助、しつこい男はモテないよ」と口を挟んだため、いつもの様なAさんと平助君の言い争いが始まってしまった。そんな二人を土方さんが一喝したことにより、二人の言い争いには終止符が打たれた。

第八十八話 目には見えない本当のこと→←第八十六話 これからのことを話しませう



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
211人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司 , 新選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。