第八十四話 仮面の裏の裏の裏 ページ35
武田「……ところで、土方副長。その者を小姓に取り立てたいうのは本当ですか?」
土方「ああ……少しばかりわけありでな」
武田「承知しました。わけありならば、詳しく聞くのはやめておきましょう。ですが、あまり同じ郷里の者ばかりを周りに囲うのはいかがなものかと思います」
『……相変わらず面倒くさいな。おまえ』
思ったことを口にする私の名前を土方さんが少し強めに呼んだ。武田は特に突っかかってくることなく、「では、失礼」と今度こそ広間から立ち去っていった。
土方「おい雪村、屯所の中を勝手に歩くんじゃねえ!」
『待って、土方さん。千鶴ちゃんは私が部屋から連れ出したの。だから責めないであげて』
千鶴「Aさん…!?何を言って……」
私が千鶴ちゃんを庇っていることは、土方さんにお見通しなのか「今後は勝手な行動は慎め」という注意だけで済んだ。私は「はーい」と返事をして、私の後ろに居る千鶴ちゃんに笑顔を向ける。
土方「それから雪村、おまえの正体を知っているのはこの八木邸に寝起きしてる奴だけだ。前川邸からこっちに来る奴らには気をつけろ。いいな」
千鶴「わかりました。これからは気をつけます。ところで……今の方は?」
土方「あいつか……五番組組長の武田観柳斎って奴だ」
『腕はそこそこだけど、文学だか軍学の多少の知恵を持ってる面倒な奴なの。抜け目のない奴だから……気をつけてね』
千鶴「はい…」
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ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時