第五十三話 目に物を言わせてやりましょか ページ4
『くそ…!遅かった…!』
土方「A…!下がれ…!」
土方さんの声と共に後ろに飛び退き、私は新見から距離を取る。私と入れ替わるように、一君が新見に攻撃を仕掛けるが、新見は全てを交わす。もう一度斬りかかろうと刀を握り直すが、私よりも早く、総司が動いた。新見は総司の刀を受け止めた状態で、総司の腕を掴んでその場に倒し、刀を振り上げた。
『総司!!』
沖田「っ…!」
間一髪のところで、土方さんが新見に斬りかかったため、新見は総司から離れ、土方さんのことを軽々と飛び越えて、土方さんの一太刀を避けたのだった。
新見「遅い遅い……まるで子供の素振りだな」
土方「羅刹になっても、理性を保てるのか……」
新見「言ったろ。私に手をあげたら、ただでは済まさぬと」
沖田「気にいらないよね。僕ら四人がかりなのに、あんな人に劣勢っぽいって……笑えないですよ」
新見「これが羅刹の力だ!新たな時代は、この技術を手にしたものに与えられる!長州も、薩摩も……土佐さえも、それはそれは欲していたぞ」
土方「で、どこに売った?」
新見「フン……折角、そいつらが良い条件を提示してきたというのに……おまえたちが台無しにしてくれた」
新見がベラベラと喋る隙を狙って、土方さんと総司、一君が動くが、三人共簡単にあしらわれてしまう。
私は何度目か分からない舌打ちをこぼし、地面を蹴る。私の最初の一太刀は避けられたが、片足を軸に回転し、すぐに次の攻撃を仕掛ける。先程まで余裕ありげな態度だった新見の顔色が変わった。
新見「──桜乃君、君には興味がある。羅刹となった私と互角に渡り合えるその力……並の人間とは思えぬ」
『減らず口を……』
新見の腹を蹴り、体勢を整えて再び新見に向かって刀を振るが、私の刀は新見の頬を掠っただけで、今度は逆に私が新見に蹴り飛ばされ、後ろの壁に体をぶつけてしまう。
『ゲホッ…!ゲホッ…!』
沖田「A…!」
新見「ハハハハ!桜乃君、いくら実力を持とうと、所詮は女だ。私と互角にやり合えても、私には敵うまい!」
羅刹化しただけで大きくなる新見に、苛立ちが募る。高笑いを続ける新見を睨みつけ、刀を支えに立ち上がる。その直後、新見の様子が急変した。
自分の頬を伝う血を舐めたからなのか、理性を失い、血を求め始める。新見に出来た最大級の隙を土方さんが見逃す訳もなく、土方さんは新見に斬りかかり、新見の首を撥ね、その場は集結を迎えた。
第五十四話 ならず者には制裁を→←第五十二話 パラサイトリリック
211人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時