第七十四話 赦されたような気がした ページ25
千鶴「これが、居合い……」
これが達人の居合い……言いしれない恐怖にも似た不安が私の胸を占めた。斎藤さんや沖田さん、Aさん……新選組の幹部といわれる存在が改めて怖くなる。新選組の屯所で暮らすということは、簡単に人を殺せる人たちに囲まれて暮らすということなのだ──。
斎藤「……落ち込むことはない。あんたは外を連れて歩くのに不便を感じない腕だ」
千鶴「え？」
斎藤さんの言葉に目を輝かせる私に、Aさんは感心の声を上げ、その隣に立つ沖田さんがぱちぱちと拍手をしてくれた。
沖田「へえ、一君のお墨付きかあ。これって、かなりすごいことだよ。ね、A？」
『うん……そうだね』
千鶴「じゃあ私……外に連れて行ってもらえるんですか？」
沖田「……外出禁止令を出した人が許可するなら、いつでも連れていってあげるんだけどね？」
千鶴「……わかりました」
なんとなく予期されていた答えだけに、私はすんなりと頷くことができた。
斎藤「副長が大坂出張から戻るまで、今しばし待たせることになる……済まないな」
千鶴「いいえ。お気遣いありがとうございます……でも、気にしないでください」
斎藤さんは私を見て、ばつが悪そうに目を反らした。
『……巡察が同行できるように、私たちから土方さんに進言しておくよ』
千鶴「本当ですか、Aさん！？」
Aさんの目を真っ直ぐに見つめれば、Aさんは「一君のお墨付きだし、進言くらいしてあげるよ」と早口で言った。
私とは一切言葉を交わすことのなかったAさんが、少しだけ言葉を交わしてくれた。それだけで、私の心はどこか軽くなった気がした。
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ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (
レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか？ (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初コメ失礼します！この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです！これからも楽しみに続きを待ってます！作者様のペースで更新頑張ってください！ (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます！！ (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2019年2月26日 12時
