第六十九話 保護色に救いを求めて ページ20
文久四年一月中旬──障子を開けると、清々しい朝の空気が流れ込んできた。空は厚い雲に覆われていて、吹く風もいつもより強いようだ。
千鶴「……今日は少し肌寒いかも」
冷えた空気に首をすくめながら、私は羽織を手に取った。
──私が新選組の屯所で暮らし始めて、早くも一週間が過ぎようとしている。その間、私には専用の部屋が与えられ、そこから出ないように言われていた。殺される寸前だったことを考えれば、この待遇はずいぶんマシなものだと思う。
千鶴「……ずっと男装したままと言うのは、やっぱり不便かも……」
私は小さくため息を吐いた。
でも、男装が嫌なんて言っていられない。これは、新選組に置いてもらう上で、どうしてもひつようなことだし……それに幸いというか、京に来るまで男装で旅したおかげで袴での生活にも慣れている。
千鶴「でも……」
私の気が重くなる理由は他にもあった。Aさんの目がなんとなく冷たいのだ。
千鶴「気のせいじゃないよね……」
桜乃Aさん──新選組で一二を争う剣の使い手で、新選組唯一の女隊士。沖田さんとは、隊内公認の恋仲らしい。
初めて会った時のような態度はとられていないが、やはりよく思われていない気がする。女同士ということもあり、Aさんとは仲良くなりたい。だけど、私は自由に屯所の中を回れないし、Aさんは私の見張りについてくれないため、話す機会が全くない状況なのだ。
千鶴「……父様も早く捜しに行きたいし……外に出てもらえないか、土方さんに聞いてみようかな」
しかし、その土方さんは大坂に出張しているはず。土方さんがいないとなると───他の人に頼んでみよう。
私は人の姿を探して、中庭へ行ってみることにした。一般の隊士さんがいたら困るから、物陰に隠れつつ様子をうかがってみる。
千鶴「……あ」
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ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時