第六十六話 フラジールフラフープ ページ17
土方「──Aの様子はどうだ?」
沖田「ようやく落ち着いて、今はぐっすり眠ってますよ」
あの後、Aを連れて自室に戻ったが、Aの容態が悪化し、今の今まで付きっきりで看病をしていた。
Aを部屋に一人で残すのは気が引けたけど、近藤さんに呼ばれたなら仕方がない。「手短にお願いしますね」と言って、僕はいつもの場所に腰を下ろす。
山南「彼女の処分が決まりました」
沖田「へぇ……殺すんですか?」
近藤「いや、彼女はトシの小姓としてここに置くことになった」
沖田「土方さんの?何でまた……」
山南「彼女は江戸出身で、京まで連絡の途絶えた父親を捜しに来たそうです。彼女の名前は雪村千鶴──雪村綱道さんのご息女でした」
沖田「そんな偶然ってあるんですか?彼女、本当に父親を捜しに来ただけなんですか?」
土方「問いただしてみたが、綱道さんからは何も聞かされていないようだ」
山南「そこで、同じ人物を探す者同士、彼女に手を貸すことにしました。彼女に協力してもらうことで、綱道さんが見つかる可能性は格段に上昇するでしょうから」
土方「とはいえ、あいつを女としてここに置いとく訳にもいかねぇ。Aとはまた違うからな」
近藤「隊士として扱う訳にもいかんからな。トシのそばなら安心できるということで、トシの小姓としてここで預かることにしたんだ」
沖田「ふぅん──僕は近藤さんが決めたのなら従いますけど……Aは一筋縄ではいかないと思いますよ」
僕の発言に近藤さん達は同時に深いため息をこぼし、肩を落とした。
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ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時