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第六十一話 きみが笑ってくれるといいな ページ12

Aと一緒に自室へ戻れば「どこ行ってたの?」と、Aに問いただされた。「町へ出てたんだよ」と答えるが、Aはどこか納得のいかない表情を浮かべた。

沖田「…ねえ…A……もしかして、僕が島原へ行ったって疑ってる?」

『え…!い…いや……別に……』

あからさまに顔を逸らすAに、僕はわざとらしくため息をこぼす。

沖田「左之さん達の前でも言ったけど、僕が好き好んで島原に行くと思う?」

『思わないけど……起きたら総司が隣にいなかったから……食事の当番じゃない限り、私が起きるまでそばにいてくれるでしょ…?』

沖田「──Aを驚かそうと思って、内緒で町へ出掛けたんだけど……どうやら、不安にさせちゃったみたいだね。ごめんね」

『町…?』

沖田「これを買いに行ってたんだよ」

懐から町で買った物を取り出してAに渡せば、Aは瞬きを数回繰り返した後、驚いた表情で僕のことを見上げた。

『…総司……これ…』

沖田「びっくりした?」

Aに渡したのは、桜のガラス細工が施された漆黒の簪。Aは簪と僕を交互に見て「どうして…」と言葉をもらした。

沖田「Aに似合うと思ったから買ってきたんだよ──たとえ、僕らと同じように剣を振るっていたとしても、Aはかわいい女の子なんだから、もっと着飾ってもいいと思うんだ」

『っ……総司…』

沖田「ハハッ……Aは泣き虫だね」

「泣かないでよ」と笑いながら、Aの涙を指で拭えば、Aは「ありがとう、総司」と笑顔を見せてくれた。

『あのね、総司』

沖田「ん?」

『私が雑貨屋で見ていたのもこの簪なんだよ』

沖田「へぇ……じゃあ、僕の見立てに狂いは無かったってことだね」

『この簪付けて出かけたいから、今度一緒に甘味処行こうね』

沖田「もちろんだよ」

第六十二話 不恰好な愛のうた→←第六十話 少女の為のプリエール



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ちさ - 令和の今も、読ませて頂いてます更新楽しみにしてます。お願いします (4月14日 18時) (レス) @page47 id: f2fc5cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
紗希(プロフ) - こちらの作品は今後更新されませんか? (10月23日 6時) (レス) id: ee912569d3 (このIDを非表示/違反報告)
かんざし(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読んでいます。占いツクールの中で一番好きです。黎明録から物語をスタートする作品は中々ありませんから。 (2022年6月10日 8時) (レス) id: 2f199dd6da (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!この作品のアニメは私も大好きなので読むことが出来て嬉しいです!これからも楽しみに続きを待ってます!作者様のペースで更新頑張ってください! (2021年12月24日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
真由 - 大好きすぎて何度も読み返してます。きゅん通り越してぎゅんときてます笑更新楽しみにしてます!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 511533d2cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セシル | 作成日時:2019年2月26日 12時

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