33*未来でこの話を ページ33
帰りはこんなに弱った先輩を一人にしたくなくて、家まで送ることにした。
先輩は強がってか「いい」と言ったが、俺が良くない。
この会社がホワイトだから、先輩を送り届けてから自宅に帰るにも終電にしっかり間に合う。
流石うちの会社。
「俺こないだナポリタン作ったんですけど、ぼーとしてたら麺が焦げちゃって。ナポリタンがすっごい焼きそばみたいな感じで仕上がったんですよ。けど意外と焦げたナポリタン美味しいんです」
「私は食べようと思わないわ・・・焼きそばみたいって、どこまで放置したのよ」
「夢中になってテレビ見てしまったんです」
「効率悪いわね」
先輩の家は駅から割と近く、ちょっと話したらすぐに着いた。
先輩が無事なことを確認し、俺は帰ろうとした。
「・・・赤坂」
「はい」
「私は貴方の事、どう思ってるのか自分でも分からないわ。だからもう少しだけ時間が欲しいの。こないだ言った時から大分時間は経ってしまっているけども、ちゃんと答えが分かったうえで、返事をしたいの」
「平気ですよ。答えを探してくれるなら俺はいくらでも待てます」
*
家に帰宅したのは23時近く。
スーツを脱ぎ捨て、スウェットに着替えてからキッチンに向かった。
料理もそれなりに出来るため、節約しながら自炊生活をしている。
夜遅いので簡単な料理を作って、テレビを見ながら食べていると、夏樹から電話がかかってきた。
こんな夜遅くになんだろう、胸騒ぎがする。
「夏樹？何かあったのか」
「お兄ちゃん・・・家にいる？」
「家にいるが。そっちやばいか？俺の家来るか」
「・・・ごめんなさい。私がお兄ちゃんの家ばっかり行ってるのを分かられて、知らない間に後つけられていたみたいで・・・場所特定されて・・・ごめんなさい・・・」
何となく予想していたことだな、とは思っていた。
前住んでる家からはそう遠くないし、時間の問題ではあったがこんなにも早いとは。
夏樹は電話越しでも分かるくらいに、泣きながら俺にひたすら謝った。
夏樹は悪くない、悪いのはあっちだ。
「それでね、今からお兄ちゃんを連れ戻すって・・・」
その言葉と同時に、この家のチャイムが鳴り響いた。
きっと母さんと父さんだろう。
無視すればいい話だが、それでは夏樹が危ない。
俺は扉を開けた。
この行動が、大きな事件を巻き起こすことになるとは、俺はこの時思っていなかった。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
