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23*かっこつけ ページ23

俺は部長より早く、佐倉先輩がいる自販機に向かった。


案の定イチゴミルクを飲む先輩がそこにいた。



「・・・何」


「先輩は今日も可愛いですね」


「部長みたいなこと言わないで頂戴」


「部長とは違います」



部長を口に出した先輩に過剰に反応してしまう。


口を膨らませながら、俺は話をつづけた。



「人気のカフェ調べたんですよ。行きませんか」


「行かない」


「カラオケ行きませんか」


「行かない」


「ショッピングモール」


「行かない」



会話をさせないよと言わんばかりにシャットアウトされる。


ははーん。さては照れてるんだな。


うん。可愛い。1000兆点だ。もっと加算してもいい。



「何にやけてるのよ」


「結婚したら子供は2人ほしいかなと」


「・・・」



しまった本能のままに伝えてしまった。


先輩を攻略するのはやはり難しいな、こんなこと口走ってしまう。



「誠実な男は嫌ですか。俺先輩一途なのに」


「イチゴミルクになりたい男のどこが誠実言ってるのよ。重いを通り越してる」


「軽い気持ちで言ってません。先輩が口づけるストローにもなれれば本望です」


「それが重いの!」



ちょっとその発言は自分でも気持ち悪いなと感じた。


せめて紙パックになりたいと言うべきだったか。



「どうしたらいいんだ」


「とりあえず私から離れてくれたら嬉しいわ」



もうゴミムシと関わりたくありませんと言う酷く見下した顔で俺を見た。


正直そういうのが好きじゃないが・・・先輩だったら大歓迎だ。


わぁ見下されてる。S気ある先輩も中々にいいな。


先輩になら靴を舐めなさいと言われたら喜んでやります。



「靴舐めますから許してください」


「どっからその話になったのよ。もうお昼終わるからどいてくれる?」



今日も先輩を攻略できなかった。



*


「で?佐倉ちゃんは相変わらず?」


「やっぱり俺、気持ち悪いんですかね・・・重いのか・・・」


「結婚を考えてるなら軽い気持ちじゃ駄目じゃない?」


「ですよね」


「でも赤坂君に気持ち悪さがあるなら改善したほうがいいと思うよ」



今日のことを山田先輩に報告すると、もっとスマートにというアドバイスを頂いた。


なるほど。スマートにエスコートされる方が女性は好きか。


よし実践するか。



*



「先輩、今夜どうです?」


「え、きもい」



*



「・・・上手くいきませんでした」


「・・・やり方が間違ってると思う」

24*まだ気づかない蕾の話→←22*隣の先輩



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設定タグ:恋愛 , オフィス   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時

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