16*諦めないって誓ったから ページ16
つまり好きまでいかなくても、完全に嫌悪感を抱いていないということ。
それは中間地点にいることだと俺は勝手に解釈する。
重くなった心にそう言い聞かせ、俺は決心した。
「そんなこと言われたって諦めません。だって先輩嫌いとは言ってない」
「何を」
「まだ見込みはあるって捉えることにします。だって先輩のことが好きだから」
そうだ、俺は先輩が大好きなんだ。
黒くて綺麗なサラサラポニーテール。
少しキリっとした眉毛、吊り上がった大きな目、少し高い鼻、つやつやな唇。
華奢なのに弱そうに見えない綺麗な姿勢。
誰の意見にも左右されず、堂々とした立ち振る舞い。
そしてイチゴミルクを周りに気づかれないようにこっそり買っていく姿。
全部が愛おしいんだ。
そんな先輩を俺は生涯ずっと守り続けたい。
重いと周りに思われようと、俺の気持ちはそんなやわじゃない。
だから諦めるもんか。
「えっとそれで・・・」
「ハイ分かりましたで終わるほどの軽い気持ちじゃないです。諦めないので。それじゃ」
ぷつりと電話を切る。
ちょっと強引すぎたかもしれないが、これが本来の俺の姿なのかもしれない。
「絶対先輩を攻略するんだ！！」
そういって俺は急いで支度して、とある場所へ向かった。
**
「お兄ちゃん。お待たせ」
「よお」
「先輩とは付き合えた？」
「まだ」
「そっか」
数日前に会った妹の夏樹と駅で待ち合わせた。
たった数日の間だが、かなりやせ細っていってるように見える。
そんな姿を見てご飯食べていくか、と案を出すも首を振られてしまう。
「ちょっとね、家の状況がやばくてね・・・。バイトで長引くとも怒られるし、遊びに行っても怒られるし何しても駄目で・・・。耐えられなくなってお兄ちゃんとこにしばらくの間非難してもいい？」
「それは全然構わないぞ。というか大丈夫なのかそれは」
「まぁ何とか。だけどお兄ちゃんのところにばっかりいると怪しまれて、お兄ちゃんまで引き戻されそうだから・・・」
夏樹は俺が庇ってくれたことに関して凄く罪悪感を抱いているようだった。
「飲み会もそんなにいってないし、貯金もあるから、何なら一緒に住んだ方が安心だろ。荷物は大体持ってきてるんだろ。その感じは」
「いいの？先輩呼べないよ？」
「そんなこと言ってる場合か。大事な妹なんだから」
まずは大事な夏樹を優先すべきだ。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
