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花嫁のお話。 ページ47

「先輩」と可愛く私を呼んでいた後輩もいいが、夫婦になってもそれはどうだろう。


目の前の夫 柚希は、アピールだけはうざいくらいに積極的だ。


でもやはり年下だからか、キスとかは結構恥ずかしがるし消極的だ。


アピールは正直今でも引くような事ばかり言っていたのに・・・。


付き合ってから気づくこともあるんだと私は思った。



「私は、まだ貴方の「先輩」だなんて嫌よ」


「み、美月さん?」


「・・・まぁそのくらいで許してあげるわ」



美月さんですって。何だか新鮮で口がにやけるのを必死に隠した。


付き合ったころと比べて、彼は新人社員の頃と比べて顔がかなり大人びた。


仕事面でも彼は急成長し、彼がリーダーとして取り締まることも多くなった。


そしてあの頃以上に彼はモテだす。


赤坂さん大人っぽい余裕がある〜なんて女性社員にまで言われちゃって。


あーあ。その子は知らないんだろうな。


付き合うまではアピールが激しく、私をオトそうと必死だったこと。


そして実は恋愛面じゃ、すごくヘタレだということに。


でもそれは私だけが知っていればいい話。



「柚希、今日は何食べたい?」


「えっと・・・ナポリタン・・・」


「分かったわ。作るからそれまでに自分の荷物、片付けて」



私は新居のキッチンに足を踏み入れた。


綺麗すぎて落ち着かない、けどこれからは柚希のために料理をする。


柚希がいつまでも、私の隣にいてくれるために。


冷蔵庫から食材を取り出し、フライパンを用意しようとしたら柚希がキッチンにきた。


片付けは?と聞く前に私は柚希に抱きしめられた。



「何よ」


「先輩」


「だから、」


「好きだよ」



その言葉だけで、私の心臓は鳴りやまない。


そういう告白は聞きなれてる。聞きなれてるんだけども。


普段敬語で話す柚希がタメ語になるのは、中々目にしない。



「俺のそばにいて」



んんっ!中々の破壊力・・・恐るべし後輩。


私は負けじと何か反抗しようと、彼の首に手をまわした。



「ばーか。好きよ」



といって無理矢理キスをする。



「・・・何だか付き合った時を思い出します」


「あれは柚希が何も気づかずに振られたと勘違いするから」


「へへっ先輩ってば積極的なのに、その話出すと恥ずかしがるんですよね」



何てへらへら笑う柚希。


そうよ、あれは山田が提案したことだ。


今となっては上手くできなかったことを思い出すだけで恥ずかしいわ!

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設定タグ:恋愛 , オフィス   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです! これからも応援してます!! (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルリ☆アイス | 作成日時:2019年10月28日 22時

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