36*這い上がってマイヒーロー ページ36
週末に入っても、有力な情報を得られずにいた。
私たちは集まって、出来る限りの今ある情報を頼りに、赤坂を探し出すことにした。
分かっているのは、赤坂を連れ去ったのは赤坂の両親。
赤坂が住んでいた自宅と実家はそう遠くは離れてないということ。
これが今ある限りの情報だ。
妹ちゃんの電話も、あの一回きりでもう繋がらなくなってしまった。
大分不利な条件だが、赤坂を探すためだ。
無謀なことだが私たちは、赤坂の家と実家と思われる辺りを賢明に探すことにした。
「俺と塩沢で隣駅の辺りを探します。山田先輩と佐倉先輩はそちらをお願いします」
「ええ。何か手掛かりを見つけたら、連絡を」
「分かりました」
こうしてお店や交番、近所の人にも聞き込みにいった。
しかし手掛かり一つも見つけられず、時間だけがただただ過ぎていった。
「・・・こんなにも情報が少ないなんて」
正直心が折れそうだった。
こんだけ歩いて探して、聞きに行っても誰も行方を知らない。
でも、それでも諦めたくないのは。
きっと。
「あっちの方でも聞いてみる」
「・・・私も行くよ」
今なら答えが、出せるはずだ。
*
結局この日は何も掴めないまま一日が過ぎていこうとしていた。
大分日が暮れてきたので、今日はここで退散しようと塩沢達に連絡しようとしたとき。
同時に塩沢から電話がかかってきた。
『もしもし、あの、事件に関連性があるかもしれない情報を聞けました』
「え？それは」
『2駅先なんですけど、駅から歩いて15分にある駐車場に事件が起きた夜、不審な車が止まっていたそうなんです』
「それがもしかして」
『深夜に爆音で運転していた車がその駐車場にしばらく止めて、そのあとまた去っていったみたいなんです。その車はある工場の車みたいなんです。その車のナンバーを駐車場を経営する方に今連絡とって、確認してもらうように伝えました。その車が赤坂の家庭の車である可能性が高いかと』
大分大きな手掛かりだった。
その車が犯人だとするならば、その車で連れ去られたってことになる。
私たちはすぐに塩沢達がいる場所に向かった。
「ねぇ佐倉ちゃん。どうしてそこまで頑張れるの？」
「何が」
「人に興味すらなかった貴方が、こんなに一生懸命になるなんて。まぁ元から優しかったけどさ」
そんなの決まってる。
だって私は。
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ルリアイス(プロフ) - 夢魔さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年1月11日 0時) (
レス) id: 0fcb288ad8 (このIDを非表示/違反報告)
夢魔 - 凄く面白かったです！ これからも応援してます！！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: f6b046dcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルリ☆アイス | 作成日時：2019年10月28日 22時
