40 路地裏の ページ43
善逸side
「それで、何もされなかった?」
伊吹が俺を止めなかったら本当に殺していたかもしれないあの男を思い浮かべる。
俺がたまたま、任務帰りに街に寄らなかったら。
もし俺の耳が良くなかったら。
あの男は最後まで──────
…悪寒がする。あんなやつに裸見られたのか。
それだけでも殺意が湧いてくるというのに、次の言葉に俺は絶句した。
…
『…せ、接吻を』
掛けてあげた黄色の羽織を恥ずかしそうにきゅ、と握りしめて口を隠す。
頭が思考停止する。
接吻ってなんだ…?
一瞬分からなくなった。
接吻
どす黒い感情が溢れ出る。
今俺の顔には血管が浮き上がっているかもしれない。
「…俺、やっぱりあいつ殺してくる」
『やめて、違うの』
「何がどう違うんだよ!」
また怒鳴ってしまった口を慌てて押さえる。
今日は珍しく怒鳴ってばかりだ。
伊吹の肩がびくんと震えたのを見て少し反省した。
「…ごめん。俺怒ってばっかだ」
『いや、私がもっと抵抗してたら…』
ぎゅ、と拳を握り締める。
…この後の行動は、自分でもあまりよく覚えていない。
ただ己の意思に従って動いていた。
・
『善逸…?』
「…っ」
木箱に手をつく。
桜色のやわらかそうな唇をこの目で捉える。
「…ごめん」
そのまま伊吹の後頭部に右手を回す。
顔が近い。
互いの心拍数が共鳴したように早くなる。
伊吹の耳、赤い。
『…どうしたの、善逸、ねえ』
「ホントごめん、責任取るから…」
・
上書きさせてほしい。
・
620人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
iro(プロフ) - とても面白いので何度も見返しました!更新待ってます😭 (2021年12月18日 1時) (レス) @page48 id: 7a4adf1725 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 更新待ってますね。頑張ってください。応募していますね。 (2021年10月17日 11時) (レス) @page48 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
あの子 - だいすきです。こちらの小説の更新とっても楽しみしてます。私の生き甲斐にさせていただいております。ありがとうございます! (2020年11月23日 6時) (レス) id: 75f2a07ea6 (このIDを非表示/違反報告)
栗栖イオリ(プロフ) - Zoom さん» ありがとうございますすす!!!励みになります頑張ります( ; ; ) (2020年11月8日 20時) (レス) id: 9c320e19a4 (このIDを非表示/違反報告)
反逆神・限界突破.モダッチュ(プロフ) - すみません!!遅くなりました!!でもかけました!!お手数おかけしますが、いおりさんのボードにURLを載せちゃいました…… (2020年11月5日 20時) (レス) id: 971db014c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:栗栖イオリ | 作成日時:2020年9月16日 0時