38 □□□□ ページ41
「ッ何やってんだ!!!」
.
鼓膜をつんざくような声が突如、響く。
私はこの声を知っている。
普段は掠れて泣き出しそうなこの声を。
『…ぜ…』
今はいつもの下がり眉を釣り上げて、瞳をギラつかせている。
髪の毛は怒りで少し逆立っていた。
蕎麦屋の二階、この部屋の窓が粉々になっていることに気づく。
「…こんなところで何やってるんだ」
「お、お前には関係な…」
「その子を放せよ!!!」
怒号が響く。
怒りでわなわなと震えている。
こんなに怒っているところは見たことがない。
そこには好きで好きで堪らない、
どうしても諦めきれない
大好きな幼なじみの姿があった。
「…チッ、俺たちの時間を邪魔するんじゃ…」
チャキ
『え…』
「か、…刀…?!」
「それ以上言うとお前を殺す」
鞘から日輪刀を取り出して低い声で呟く。
「ひっ!!け、警史を呼ぶぞ!」
「…勝手にしろ。」
『待って、やめて…!!』
縋り付くようにして必死で服を引っ張る。
私のせいで善逸が警史に捕まってしまう。
『お願い、お願い善逸…!もう大丈夫、だから』
「ッ何が大丈夫だよ!」
しかしその様子は先ほどよりは少し落ち着いているようだった。
ふぁさ、と黄色の羽織をかけられる。
「…窓から降りるよ。つかまって」
『う、うん…』
「お、おい!待て!」
男を置いて、私たちは窓から飛び降りた。
621人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
iro(プロフ) - とても面白いので何度も見返しました!更新待ってます😭 (2021年12月18日 1時) (レス) @page48 id: 7a4adf1725 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 更新待ってますね。頑張ってください。応募していますね。 (2021年10月17日 11時) (レス) @page48 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
あの子 - だいすきです。こちらの小説の更新とっても楽しみしてます。私の生き甲斐にさせていただいております。ありがとうございます! (2020年11月23日 6時) (レス) id: 75f2a07ea6 (このIDを非表示/違反報告)
栗栖イオリ(プロフ) - Zoom さん» ありがとうございますすす!!!励みになります頑張ります( ; ; ) (2020年11月8日 20時) (レス) id: 9c320e19a4 (このIDを非表示/違反報告)
反逆神・限界突破.モダッチュ(プロフ) - すみません!!遅くなりました!!でもかけました!!お手数おかけしますが、いおりさんのボードにURLを載せちゃいました…… (2020年11月5日 20時) (レス) id: 971db014c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:栗栖イオリ | 作成日時:2020年9月16日 0時