検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:219,839 hit

37 蕎麦屋の二階 ページ40

『責任…壊してしまったものは弁償いたしますし、それに…』




「そういうことじゃない。分かんない?」



なんとなく嫌な予感がする。



手先が冷たい。



耳元で男の人が囁く。



小太りの体が近づいた。







「…俺ちょっと遊びたいんだ。相手してよ」
















連れてこられたところは蕎麦屋だった。



私は心底安心する。



お詫びに蕎麦を奢るということだろうか。







『お蕎麦ですか?』






男の人は答えない。



蕎麦屋の暖簾を潜り、そのまま素通りして階段を登ろうとした。




『…ま、待ってください。蕎麦屋は一階で二階ではお蕎麦は売ってないですよ』




「いいから」




手を乱暴に引っ張られる。



なにか、すごく嫌な予感がする。



鳥肌が立った。いますぐこの手を振り解きたい。



しかし自分からぶつかってしまった落ち度があり、私は何もできなかった。



冷や汗が新品の着物を湿らす。





階段を上がった先に布団が敷かれていることに気付いて、私は思わず叫び出しそうだった。





「…そんな高価な着物着て、こういうことは慣れてるんだろ。相手してよ」



『そ、そんな訳ないじゃないですか…!』



肩に手を回される。



激痛が電流のように走り、悲鳴を上げた。




「いいね。そういうの。唆る」



『やめてください…』



「責任、取ってくれないんだ。ぶつかったのに?」





さっき切ったばかりの髪に触れられ、悪寒が走る。




直後、最悪なことが起きた。









チュッ








『え…え…』



思考が停止して目の前が真っ白になる。



男の口の口角がにんまりと上がった。



生理的な涙がぼろぼろ溢れる。



こんなに怖くてたまらないと思ったのは人生ではじめてだ。



…初めての接吻、だった、のに。




「泣かないでよ。俺が悪いことしてるみたいでしょう」




抱きしめられた胸板を強く押す。



女とはいえ、普通の人間よりは力は強く、大柄なこの男もよろめいた。




「そんな乱暴な女の子は嫌だなあ。




黙らせてやる」



怖い、怖い、怖くてたまらない。



今度こそ私はもう動けなくなった。



着物に手をかけられる。そこから手が入ってきて乱暴に脱がせた。





「…ッ、最高だよ君の体…!」





はあはあと荒い息が直に顔にかかる。



もう抵抗する術もなく、床に組み敷かれる。






そのとき、だった。




……


わからない方は 蕎麦屋の二階 大正時代 で調べてみてね

38 □□□□→←36 お使い



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (203 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
621人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

iro(プロフ) - とても面白いので何度も見返しました!更新待ってます😭 (2021年12月18日 1時) (レス) @page48 id: 7a4adf1725 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 更新待ってますね。頑張ってください。応募していますね。 (2021年10月17日 11時) (レス) @page48 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
あの子 - だいすきです。こちらの小説の更新とっても楽しみしてます。私の生き甲斐にさせていただいております。ありがとうございます! (2020年11月23日 6時) (レス) id: 75f2a07ea6 (このIDを非表示/違反報告)
栗栖イオリ(プロフ) - Zoom さん» ありがとうございますすす!!!励みになります頑張ります( ; ; ) (2020年11月8日 20時) (レス) id: 9c320e19a4 (このIDを非表示/違反報告)
反逆神・限界突破.モダッチュ(プロフ) - すみません!!遅くなりました!!でもかけました!!お手数おかけしますが、いおりさんのボードにURLを載せちゃいました…… (2020年11月5日 20時) (レス) id: 971db014c2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:栗栖イオリ | 作成日時:2020年9月16日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。