それでも9 ページ10
小咲 side
小( …あと30分 )
スマホのディスプレイを見つめ、そっとため息をつく。
私…ホント最低だ。
自分のことばっかだ…。
小「そろそろ行かないと…」
荷物を持ってロビーのベンチから立ち上がる。
すると
小「!」
見慣れた蜂蜜色の髪が視界に入った。
きょろきょろと辺りを見渡しているあたり、きっと私を探している。
小「かつ…!」
走り出そうとした足が止まる。
ここで走って、彼に何を言うというんだ?
あれだけ酷く罵倒したのに、何を?
ぎゅっと強く拳を握りしめる。
その手の中でスマホが震えた。
もう時間だ。
小「…ごめん、なさい」
彼に背を向け、私は搭乗口へ急いだ。
ーーーー
小( …これで良かったんだ )
私の乗った飛行機はもうじき離陸する。
そしたら、あと一年は会えない。
けどこれでいいんだ。
私みたいな自己中心的な女より、もっとあなたにふさわしい子がいるはず。
私のことは、忘れてくれ。
《離陸します》
あぁ、ついにか。
目尻がじわじわ熱くなる。
何で今更…。
気を紛らわそうと外を見たけど、それがいけなかった。
小( !
嘘、でしょ… )
生まれて初めて視力が良いことを呪った。
ハッキリとは見えないけど、勝己が私の乗っている飛行機を見て、目をこすったのがわかった。
それだけで私の涙腺は壊れてしまった。
小「っ……う…うぇえ……」
ひざ掛けを口に押し当て、声を殺 す。
「大丈夫…ですか?」
小「だいじょぶ、です…!」
隣の席の人にそう返すも、涙は止まらない。
小「…すいません、見苦しい所を見せてしまって」
「いえ…。
よろしければお話聞きましょうか?
ていうか…Aだよね?」
小「えっ」
その言葉に顔を上げると
小「一佳…」
拳「よっ。久しぶりだね」
仲のいい友達の一人、拳藤一佳だった。
----------✂ キリトリセン ✂ ----------
作者は空港に行ったことがないので、半分以上想像で書いてます( ˙꒳˙ )
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ホイップソーダ(プロフ) - 遊星さん» わわっ!ありがとうございます!!!更新は停滞したり不定期になると思いますが、待っていてくださると嬉しいです!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 92f55d57e2 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 早く続き読みたいです (2018年11月11日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
づっちゃん(プロフ) - かっちゃんのヤンデレというか、もうデレるだけでも破壊力バツグンなのですごけドキドキしながら見てます!これからも更新楽しみに待ってます! (2018年7月7日 22時) (レス) id: 0f59210494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ホイップソーダ | 作成日時:2018年7月13日 22時