胃薬が四錠 ページ6
あれからしばらくして、鬼を狩り終わった時だ。
『これで終わり、ですね。お疲れ様です』
「うむ!Aの指揮、実に良かったぞ!」
『褒めていただき光栄です。これが私の仕事ですから』
褒めてくれるのは嬉しいんだけどね?
煉獄さんの顔が近い…
『えっ、と…』
恥ずかしくなって視線を義勇さんの方にずらすも、両頬を掴まれて再び煉獄さんの方を向かされる。
明るい色の瞳が何故か濁っているように感じた。
「Aは俺だけを見ていればいい!これ以上他の者の事を見るのなら、その目を抉り取ってしまいたいな!」
『…は、ひ?』
とんでもない事言ってるよこの人。
しかも冗談に聞こえないのがまた恐ろしい。
「…Aから離れろ。怯えているだろう」
「よもや!面白い冗談を言うな!Aが怯えているだと?そんな事はありえん!そうだろう?」
『わ、わはひに聞かれても困りまひゅ…』
頬を掴まれてる所為で、さ行が喋りにくいし空気重いし怖い。
やばい胃が痛くなってきた。
「………。」
「………。」
ねぇ無言やめてよ怖いから本当に。
煉獄さん急に黙ると怖いんだよもう…
二人とも真顔だよ?顔がスン…ってしてるよ?凄く目がすわってるよ?
もうやだ帰りたい。
しのぶさんか蜜璃さんに抱擁されたい。
胃が痛い。
『あ、あの』
「「なんだ」」
『ヒェッ…い、いや胃が痛くて胃薬を飲みたいので手を…』
「俺が飲ませてやろう!」
「それは俺の仕事だ。A、こっちに来い」
あ…頭おかしいよこの二人…
義勇さんに関しては何ですか。
俺の仕事だ。って何ですか。
貴方の仕事は鬼を倒す事でしょうに。
『一人で飲めます…お二人の手を煩わせる訳には行かないので』
そう言うと、煉獄さんは渋々手を離してくれた。
小瓶の蓋を開けて錠剤を一錠手の上に乗せ、持ってきた水で一気に飲み込む。
…そしてその様子を終始眺めている二人。
「うむ!実に煽情的だな!!」
「抱きたい」
あ…頭おかしいよこの二人…(二回目)
『あの、じわじわ近付いてくるのをやめて頂きたいのですが…地味に怖いです』
「拒否する!」
「断る」
即答かい。
『…ニゲサセテイタダキマス』
「逃がさないぞ」
「うむ!どこへ行っても捕まえてやろう!」
くそう、蝶屋敷まで走るしかないか。
唸れ私の両足!
過去最速記録を叩き出せ!
その後無事に逃げ切れたが、煉獄さんと義勇さんがお館様からのお呼び出しされてたのを見た。
達者でな…
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ぷりっつ - 夢主ちゃんのスカートが膝より高い. ..ゲスメガネ呼んでこよう...チャキッ← (2021年5月9日 2時) (レス) id: 8a7ce8997d (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 絵に一目惚れしました……!!面白い!すごい!!! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ガコ - この小説、すごく面白いですね! あと、33の時、すごくカゲロウテイズっていう歌に似ていますね! (2019年11月25日 0時) (レス) id: 8244513a71 (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - コメントありがとうございます!素晴らしい作品だなんて勿体無いお言葉です…!続編もよろしくお願いいたします!! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
緩莓 - 本当に最高です!!!こんなに素晴らしい作品に出会えて光栄です(´;ω;`)更新お疲れ様です!続編も読みます!これからも頑張ってくださいね! (2019年10月5日 7時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
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