胃薬が三十七錠 ページ48
狂ったように笑い、戦闘を楽しむかのように三人は舞う。
更に時間が加速して行く中、Aの背後には三つの影が忍び寄っていた。
「時透少年!立てるか?俺達も加勢するぞ!」
「分かってる______ッ」
煉獄と無一郎が再び三人の間合いに入り込み、更に戦闘は激しくなって行く。
「甘露寺さん、皆さんが戦っている間に背後に回りましょう。攻撃の受け流しは冨岡さんと伊黒さん、お願いします」
「しのぶちゃん…分かったわ!」
「あぁ」
「心得た」
その時だった。
『桜の呼吸、玖ノ型…''死垂桜''!!』
空気が振動し、ビリビリと鼓膜を震わせる。
だが、柱達は怯む事無く攻撃を続けた。
「ンな所で止まれるかよォッ!!!」
「ああああああ''あ''ッ!!!」
「絶対にッ!ここでAの頸を斬るッ!!!」
「今だッ!!冨岡!伊黒!」
『(いつの間に…ッ!)』
二人が刀を構え、Aの直ぐ背後にまで間合いを詰める。
「水の呼吸、肆ノ型 ''打ち潮''」
「蛇の呼吸、伍ノ型 ''蜿蜿長蛇''」
『_______ッ!』
二つの呼吸が同時に襲い、すかさずAも刀を構えた。
だが。
「させるかぁぁぁあああッ!!!」
宇髄、不死川、煉獄、無一郎の日輪刀が胴体に突き刺さり、血が辺りに飛散する。
動きが止まった数秒を見切り、伊黒と義勇がAの両腕を斬り落とした。
『か…ッぁ''…ッ!』
間髪入れずにしのぶの日輪刀の切っ先が眼前に迫る。
首を逸らし、一撃目を躱した瞬間だった。
「Aちゃんッ…今…私が救ってあげるから…ッ」
背後に回り込んでいた甘露寺は、涙を零しながら鞭のような刀を振るった。
『______…ありがとう』
頸を斬られる寸前、Aは目を閉じ口元に笑みを浮かべた。
殺気に塗れた気配とは打って変わり、優しく暖かい慈愛に満ちた気配がする。
甘露寺の刀が頸に当たり、美しい赤色の血飛沫を上げながらAの頸が斬り落とされた。
機能を失った身体は、糸が切れたように動かなくなり膝をついて倒れる。
塵になって行くAの頭部。
その表情は、実に穏やかであった。
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ぷりっつ - 夢主ちゃんのスカートが膝より高い. ..ゲスメガネ呼んでこよう...チャキッ← (2021年5月9日 2時) (レス) id: 8a7ce8997d (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 絵に一目惚れしました……!!面白い!すごい!!! (2019年11月25日 21時) (レス) id: 4b6840f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ガコ - この小説、すごく面白いですね! あと、33の時、すごくカゲロウテイズっていう歌に似ていますね! (2019年11月25日 0時) (レス) id: 8244513a71 (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - コメントありがとうございます!素晴らしい作品だなんて勿体無いお言葉です…!続編もよろしくお願いいたします!! (2019年10月5日 8時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
緩莓 - 本当に最高です!!!こんなに素晴らしい作品に出会えて光栄です(´;ω;`)更新お疲れ様です!続編も読みます!これからも頑張ってくださいね! (2019年10月5日 7時) (レス) id: 6806c82317 (このIDを非表示/違反報告)
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