第43話 ページ46
「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け。君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない」
言葉一つ一つの重みが違った。
優しく、暖かい言葉。
何故こんな人が死ななければならないのかなぁ…っ
「俺がここで死ぬ事は気にするな。柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ。柱ならば誰であっても同じ事をする。若い芽は摘ませない」
命の終わりが、喪失が足音を立てて近づく。
せっかく分かり合えたのに。
嫌だよぅ…
「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、A少女、もっともっと成長しろ。そして今度は君達が鬼殺隊を支える柱となるのだ。…俺は信じる」
________君達を、信じる。
その言葉を最後に、煉獄さんは目を閉じた。
命の炎が消えた瞬間、涙が溢れて止まらなかった。
後ろから足音がしたのに気が付き振り返る。
『っ、ぜん、善逸…』
「Aちゃん……実はさ、汽車が脱線する時…煉獄さんがいっぱい技を出しててさ。…車両の被害を最小限にとどめてくれたんだよな」
「…そうだろうな」
「死んじゃうなんて…そんな、本当に上弦の鬼来たのか?」
「うん」
「…なんで、来んだよ上弦なんか…そんな強いの?そんな、さぁ…」
「……うん…」
こんな暗い時こそみんなを励ますのが年上の役割だってのに…
私が泣いてちゃ…意味ないじゃん。
「…悔しいなぁ…何か一つできるようになっても、またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。凄い人はもっとずっと先の所で戦っているのに…俺はまだそこに行けない」
『炭治郎…』
「こんな所で躓いてるような俺は、俺は…煉獄さんみたいになれるのかなぁ…」
…そうだ、そうだよね。
今は下を向く事しか出来ない。
でも、そんなんじゃ…
「弱気な事言ってんじゃねぇ!なれるかなれねぇかなんてくだらねぇ事言うんじゃねぇ!!」
伊之助、声が震えてる。
きっと泣いてるんだ、悲しいんだ。
だけど、それを乗り越えなきゃならない事をちゃんと分かってるんだ。
「信じると言われたなら、それに応える事以外考えんじゃねぇ!!死んだ生き物は土に還るだけなんだよ!べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ!」
山で育ったからなのか、伊之助ってそういうのに関しては結構割り切れてるんだな。
決した悲しんでいない訳じゃない。
ちゃんと越えて行こうとしてるんだ。
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桃太郎 - はわわわわわ…おもしろすぎる!もう本当最高ですね!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: d7c2ad39a2 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - はいぃい!待ってたー!こうゆう小説待ってたー!!やっと見つけたー!やはり、善逸かわいいですねぇー!お気に入り追加しました!!更新がんばってください!続き楽しみにしてます!! (2019年11月8日 11時) (レス) id: ccef1d61ae (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - チョコレートさん» コメントありがとうございます!!前々から書きたかったものを詰めただけですが…楽しんでいただけたらのなら何よりです! (2019年11月8日 9時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - やだもう何これ!めっさおもろいやないですか!!はぁ…トリップとか……最高かよコノヤロウ!更新頑張ってください!応援してます! (2019年11月7日 19時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
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