検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:97,170 hit

第43話 ページ46

「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け。君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない」


言葉一つ一つの重みが違った。

優しく、暖かい言葉。

何故こんな人が死ななければならないのかなぁ…っ


「俺がここで死ぬ事は気にするな。柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ。柱ならば誰であっても同じ事をする。若い芽は摘ませない」


命の終わりが、喪失が足音を立てて近づく。

せっかく分かり合えたのに。

嫌だよぅ…


「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、A少女、もっともっと成長しろ。そして今度は君達が鬼殺隊を支える柱となるのだ。…俺は信じる」


________君達を、信じる。


その言葉を最後に、煉獄さんは目を閉じた。

命の炎が消えた瞬間、涙が溢れて止まらなかった。

後ろから足音がしたのに気が付き振り返る。


『っ、ぜん、善逸…』

「Aちゃん……実はさ、汽車が脱線する時…煉獄さんがいっぱい技を出しててさ。…車両の被害を最小限にとどめてくれたんだよな」

「…そうだろうな」

「死んじゃうなんて…そんな、本当に上弦の鬼来たのか?」

「うん」

「…なんで、来んだよ上弦なんか…そんな強いの?そんな、さぁ…」

「……うん…」


こんな暗い時こそみんなを励ますのが年上の役割だってのに…

私が泣いてちゃ…意味ないじゃん。


「…悔しいなぁ…何か一つできるようになっても、またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。凄い人はもっとずっと先の所で戦っているのに…俺はまだそこに行けない」

『炭治郎…』

「こんな所で躓いてるような俺は、俺は…煉獄さんみたいになれるのかなぁ…」


…そうだ、そうだよね。

今は下を向く事しか出来ない。

でも、そんなんじゃ…


「弱気な事言ってんじゃねぇ!なれるかなれねぇかなんてくだらねぇ事言うんじゃねぇ!!」


伊之助、声が震えてる。

きっと泣いてるんだ、悲しいんだ。

だけど、それを乗り越えなきゃならない事をちゃんと分かってるんだ。


「信じると言われたなら、それに応える事以外考えんじゃねぇ!!死んだ生き物は土に還るだけなんだよ!べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ!」


山で育ったからなのか、伊之助ってそういうのに関しては結構割り切れてるんだな。

決した悲しんでいない訳じゃない。

ちゃんと越えて行こうとしてるんだ。

第44話→←第42話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
152人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 逆ハー , ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桃太郎 - はわわわわわ…おもしろすぎる!もう本当最高ですね!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: d7c2ad39a2 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - はいぃい!待ってたー!こうゆう小説待ってたー!!やっと見つけたー!やはり、善逸かわいいですねぇー!お気に入り追加しました!!更新がんばってください!続き楽しみにしてます!! (2019年11月8日 11時) (レス) id: ccef1d61ae (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - チョコレートさん» コメントありがとうございます!!前々から書きたかったものを詰めただけですが…楽しんでいただけたらのなら何よりです! (2019年11月8日 9時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - やだもう何これ!めっさおもろいやないですか!!はぁ…トリップとか……最高かよコノヤロウ!更新頑張ってください!応援してます! (2019年11月7日 19時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もやし好きのもやし x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。