【HiGH&LOW】あの人の、妹。2

76話 救い ページ37

A「大丈夫ですか?」





ノボル「…なんでここがわかった」





A「ノボルさんのことを連れていった男にここの匂いがついてましたよ」





ノボル「…お前は犬か」





A「犬!?失礼ですね」





Aが不服そうな顔をしてからノボルの手が縛られている縄をほどく。





ノボル「おい、何やってる…そんな事頼んでいない」





A「うるさいですよ」





ノボル「俺はお前の事を拉致しようとしたんだぞ」





A「でも結局やめて助けようとしてくれたじゃないですか」





ノボル「俺は家村会の人間なんだ…もうここにいるしかない」





A「自分に正直になればいいのに…」





Aはそう呟いてシュルルと器用に縄を解いた。





A「どうするかはノボルさん次第です」





ノボル「俺に責任投げるのか」





A「人聞き悪いですよ。私は選択肢をあげただけです」





ノボル「選択肢…?」





A「私トイレにいってくるって嘘ついてきたのでトイレ長いとか思われたら嫌なので戻りますね!!」





ノボル「おい、ちょっと」





A「では、さようなら!!」





Aは笑顔でそう言うと出ていってしまった。





少し呆気に取られていたノボルは先程まで縛られていた腕を見つめる。





ノボル「選択肢…」






会長「トイレ長いんだね」





A「セクハラですよ」





元のところに戻ったAはにっこり笑ってそう返す。





会長「逃げるかと思ってたよ」





A「逃げても無駄なので…それに助けに来てくれるから」





会長「SWORDを巻き込むのか」





A「巻き込むと言うと聞こえが悪いですけど…SWORD舐めてると痛い目見ますよ」





二階堂「口の聞き方がなってねぇようだな」






二階堂がAに詰め寄る。





会長「やめておけ二階堂。大切な人質だ…それでこそ琥珀の妹、といったところだろう?」





二階堂は少し不満そうな顔をしながらAから離れた。





Aは震える手をぎゅっと握りしめ、大丈夫。きっと助けに来る。と自分に言い聞かせた。

77話 いない→←75話 対面と対立

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す