17話 心配 ページ19
翌朝
ナオミとAがITOKANに来て開店準備をする。
少ししてからいつものようにコブラ、ヤマト、テッツ、ダン、チハルがITOKANに来た。
コブラ「A」
A「はい」
いつもの位置に座っているコブラの前にすさささー、とAが移動してくる。
コブラ「昨日コンビニ行くって言って出てったよな」
A「はい」
コブラ「本当は?」
A「ITOKANまで来てチハル君と会って2人でブラついてました」
コブラ「2人で?男と夜遊びか」
A「いやその違うというかその」
鋭い目つきで怒っているコブラと怒られてモゴモゴしているAは母と子のように見える。
チハル「その俺が悪いんす!!つい話し込んでAちゃんを早く帰らせなかったから…」
コブラ「Aちゃん?初対面だったのに随分仲良くなったな」
チハル「…自分といると危険なのもわかってました…実際に絡まれま………あっ」
コブラ「絡まれた?鬼邪高の奴らに?」
コブラは鋭い目をチハルからAに戻す。
A「…結構な人数でピンチだったけど…雨宮…雨宮広斗っていう人が助けに来て…」
ヤマト「雨宮兄弟!?」
黙っていたヤマトが思わず反応した。
コブラ「…雨宮の弟が来たからよかったが…来てなかったら…どうなってたか」
A「はい…おっしゃる通りです…」
コブラ「変な奴に狙われたのかと思って昨日ずっと心配していた」
コブラが心配していたと素直に言ったことに周りが少し驚く。
コブラ「Aは琥珀さんの妹だ。それは自覚しなきゃならねぇ」
A「はい」
コブラ「もう心配かけるような真似すんな」
A「うん…コブラ…」
Aの瞳に溜めていた涙が思わず溢れ出す。
ダン「あちゃAちゃん泣かした」
テッツ「うーわ笑」
周りが茶化しだしたのを睨みつつコブラがAの頭を乱暴に撫でる。
A「ごめんねコブラ」
コブラ「わかったならもういい」
いつもより優しい雰囲気が出ているコブラを見てチハルが疑問を口に出す。
チハル「コブラさんってAちゃんのこと好きなんすか?」
ナオミ「…まだ好きにはいかないけど…特別な存在になってるのは間違いないだろうな」
チハル「そう…すか」
チハルはぼーっとコブラとAを眺めながら呟いた。
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作者名：青葉梟 | 作成日時：2016年7月20日 15時
