□と○ (ページ34)

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擬音をつけるならズドン．一足ごとに鳴ってる．ゲームで言うラスボスの足音みたいな．

「紫耀ー！胡桃ちゃーん！」

そんな見るからに怒ってる紫耀に構わず声をかける海人．あいつは超人か？

「え、海人！なにしてんの！」

「花火見える穴場探してたら2人見つけて思わず声掛けちゃった！」

「すっごい偶然じゃん！」

「そうなんだよ〜！」

「これまた美男美女じゃん！この2人は誰？」

岸さんの一言で再びさっきの光景が目の前で繰り広げられた．なんか今の岸さんデジャブやなって怒られる寸前なのに呑気なことを考えて見てた．

「あ、俺らも他の友達待たせてるんだよね．そろそろ行かなきゃ」

「え、もうそんな時間？やば、戻らなきゃ！」

時計を見れば既に花火大会が終わって1時間経とうとしている．海人と岸さんはまたみんなで遊ぼうね！と俺らに全力で手を振って別の場所へと向かっていった．

残された俺ら4人．なんとも言えない時間が流れている．

「ねえ、なんで急にいなくなったの」

そんな時間を壊したのはやっぱり紫耀だった．

『ごめん．さっきも言ったけど、疲れちゃって』

「疲れたなら言ってくれればいいのに」

『「ごめん」』

「何回連絡しても繋がんないし．めっちゃくちゃ心配したんだからね．」

『「ごめん」』

「はぁー、心配したら疲れた．ね？胡桃ちゃん」

「ほんとだよ〜、でも2人が無事で良かった」

「ほんとごめんね？」

「心配してたら喉乾いちゃった！ジュース買ってくれたら許してあげる！」

「お！いいじゃん！俺、アイスでもいいかも！」

「アイスもいいね！」

気まづい雰囲気の中、少しでも明るくしようとしてくれる2人．2人はいつも核心には触れてこない．その優しさに甘えて、少しずついつもの俺らに戻っていった．

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