□と○ (ページ27)

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夏休みは高校1年の時と変わらず、それなりに楽しく過ごしている．
胡桃と家でゲームしたり、紫耀や海人と出かけたり．あとは4人で遊んだりもしてる．変わったのは定期的にAと電話することくらい．去年の俺らじゃ考えられない関係だ．

「こんなに定期的に話してたら話すことないんだけど」

『でもなんだかんだ1時間話してんで』

「え、本当じゃん」

内容は夏休みの宿題だったり、お互いの恋愛話だったり、諸々だ．恋愛に関してはこの夏も互いにウジウジしてなんの進展もないまま．

『明日、花火大会やな』

「そうだね〜」

『本人から直接言われたわけじゃないけどさ』

「花火大会で紫耀と胡桃ちゃんがどうにかなったらどうしようって？」

『うん．てかやっぱりそう思う？』

「最近の胡桃ちゃん見れば何となくね」

『そうよな〜、それ目の前で見せられるのめっちゃ嫌やわ』

「意気地無しの代償ですね、紫耀も満更でもなさそうだし」

『俺を花火大会前日に泣かす気？』

「泣く時は一緒だよ」

『胡桃さ、明日の花火大会気合い入ってんのよな．浴衣で行くらしいで？俺の時は私服やったのに．』

「気合い入ってるねえ」

『Aはどうするん？』

「胡桃ちゃんに誘われて浴衣ですけど」

『ええやん、花火大会の女の子は浴衣に限る』

「私の浴衣姿見て誰が喜ぶんだろうか」

『、、世間？』

「悩むな、お世辞でも俺って言ってよ」

『紫耀喜ぶんちゃう？』

「どうだか」

あ、そろそろ寝ないと明日に響く！おやすみ！と言ってAが一方的に電話を切った．いつも俺一方的に切られるやん．

まあ、Aがおる限り1人で胡桃たちを見なくていいことに安堵し、俺も眠りについた．

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