□と○ (ページ2)

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結局、胡桃とは同じクラスにはならなかった．
高校1年生なんだから学校側も同中の人をクラス一緒にしてあげる！みたいな配慮があったらええのに．なんて少し思った．

黒板で自分の席を確認すると教室の真ん中の列ではあるが、1番後ろの席でまあ悪くはない席だった．
席につけば右斜め前の男が目を輝かせながら話しかけてきた．

「良かった〜、周り女の子ばっかりかと思っちゃった！」

そう言われて見渡して見れば確かにこの辺りの席は女子が多い．

「友達出来なかったらどうしよう！って思ってたんだよね！俺、高橋海人！よろしく！」

いきなり1人で話し出すなとは思ったけど、ほんまに不安やったんやろうな、新学期やもんな、なんて．

『俺、永瀬廉．海人よろしく．』

「廉ね！なんか仲良くなれそうだよ！」

『まだなんも話してないで？』

「なんとなくだよ！なんとなく！」

『ようわからんわ笑』

ようわからん奴やけど、なんとなく俺も仲良くなれる気がした．海人には言わへんけど笑

こうして俺にも友達が出来た頃にオリエンテーションが始まった．ずーっと担任が長ったらしく話をしているが、俺にそんな集中力はなく、担任に見えないようにスマホを開いた．

すると、胡桃からの2件のメッセージ

「廉、友達できた？」
「私には出来たよ．今日帰り紹介するね．」

まず、私＂には＂ってなんやねん．俺には友達出来へんって思ってんのか？とツッコミつつ、内心胡桃からメッセージが来ていたことにめっちゃ喜んどる自分がおる．ほんま俺単純やわ〜．

『俺にも友達出来たわ！』
『ほーい』

俺も胡桃に合わせて2件のメッセージを返信してスマホを閉じた．その後も胡桃に会いたくて早く放課後にならないかとソワソワしていたらクラスメイトの自己紹介が3分の1終わっていたことに気づき、少しハッとしたのは秘密．

この時は知らなかった．
俺の青春は想像通りに進まないことを．

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