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頭の中でさっきの「おやすみ」と、呼んでもらった名前がぐるぐる谺する。
顔が熱い気がして布団を顔の半分ぐらいまで被って目を閉じた。
ガサガサ、とシーツと布団の擦れる音で目が覚める。
授業中は触ってはいけないためポケットに入れて電源を落としていた携帯をこっそり取り出して時刻を確認すると授業が残り15分程、と行ったところだった。
ポケットに携帯を戻した時、もう一度ガサガサと音がする。
そう言えば、さっきの音も今の音も私の出した音では無い。
左側に寝返りを打つとカーテンの隙間から向こうのカーテンが見えて、そのカーテンがゆらゆらと揺れた。
隣のベッドも、誰か寝てるのか、……。
そう思ってもう一度目を閉じようとした時だった。
カーテンの開く音がする。
その次に、何かが床に落ちる音がして、暫くして保健室のドアが開く音と閉じる音がした。
誰か、出てったんかな、
今度は意図的にカーテンの隙間から向こう側を覗いてみた。
すると恐らく布団から出て立ち上がる為にどかされて盛り上がっている布団と、床に落ちたイヤホンが目に入った。
落として行ってしまったのだろうか。
少し迷って、拾っておこうと思って私も起き上がりベッドから降りてカーテンを開けた。
そして、イヤホンに手をかけた。
その時だった。
もう一度保健室のドアがガラガラ、と開いて、ガラガラ、と閉まった。
スタスタ、と歩いてきて屈んでイヤホンを持っている私を見つめているのは────
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作者名：かどき | 作成日時：2024年3月12日 23時
