やっぱり好き、やねん。 (ページ6)

今日:79 hit、昨日:400 hit、合計:16,590 hit

. ページ6

心の中でひとりあたふたしてる私に気づくはずも無くプリントやらを置き終わった先生がこちらに歩いてくる。

『お待たせ……ってお前その格好寒ないんか。』
「上着教室に忘れてきました…。」
『あーあー尚更早よ行こ保健室。多分あったかいし。体冷やしたらあかんで〜。』
「わーんすみません！」

まるでお父さん(いやお母さん？)のような先生の後をついていき保健室に入る。
保健室は新山先生の言った通りあったかかった。

『本日はどういった症状で？』

先生と机を挟んで向かいに座り突如始まったのはお医者さんごっこだ。先生眼鏡も似合ってるしマジのお医者さんみたい。

「頭痛と腹痛がちょっとしんどいんです…。」
『あらら〜大変やね。お熱あります？』
「あ、わかんないです、笑」
『ふははそらそうか笑ほな一応測っときましょうかね〜、はい。』
「有難う御座います笑」

先生から体温計を受け取り脇に挟む。

測り終わるまでの間、先生が紙に私の症状や今の時刻を書き込む鉛筆の音だけが保健室に響き渡る。

ピー、ピー。

　

「あ、お熱は無いです。」
『良かった良かった。どうする？ちょっと寝とく？』

突然敬語が抜けた先生に少し驚きつつ頷く。
保健室のベッドふかふかやし。

『ほなゆっくり休み。』
「有難う御座います。」

私が渡した体温計を元に戻しベッドのカーテンを開けに行く先生。

わー、なんか看病してもらってるみたい。

って変な想像してまう。

『あーいどうぞ。』

先生に促されてベッドに寝転ぶ。
そのまま布団をかけてもらったんやけど、私って小学生ぐらいに思われてるんかな。
流石に布団ぐらい自分でかけれるけど。

まあ嬉しいので良しとしよう。

『おやすみ。A。』

え、わ、ちょ、ちょっと急に名前呼び、！？！、
しかも超優しいお声の「おやすみ」付き。
安眠できそうなのにやたらと心臓がうるさすぎてできなさそう。

「お、おやすみなさい、。」

なんとか消え入りそうな声で返事するとにこっと微笑んだ先生は私の頭にぽんっ、と手を置いた後カーテンを閉めて保健室を後にした。