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『ごめん、お待たせ〜。』
ヘッドホンに再び堂前さんの声が揺れる。
「堂前さん、」
『ん、？どしたん？』
「私が堂前さんのこと、芸人としての尊敬はもちろんですけどそれを抜きにしても、それとはまた別に好き、って言ったらダメ、ですか、？」
『自分で、考えてみたらいいんちゃう？』
「自分で、…？」
『うん。俺が、Aのことひとりの女の子として好きって言ったら嫌やろか？
ちなみに、これはもしも話でも何でもないんやけどな。』
「いや、それは全然嫌じゃ無いです…もしも話やとしても……本当の話でも。
え、本当の話、？」
『本当の話よ〜〜ドキドキするなぁ。いくら相手が俺のこと好きでいてくれたって好きな女の子への告白って緊張するもんやねぇ〜。』
「え、え、ちょま、待ってください、、！！！」
堂前さんの声のトーンも口調も何も変わらなすぎて頭が追いつかない。
『ごめん、ふざけてしまって。こんなとこまで芸人の血騒がせたらあかんよな。
Aのこと、好き。やから、もし良かったら俺の彼女になってほしい。』
「わ、私なんかでいいんですか、……、」
『そんなお決まりの言葉返すなら、俺やってお決まりの言葉で返すことになっちゃうけど、
俺は、Aがいい。』
やっぱ、良いヘッドホン買ってよかった、
堂前さんがかけてくれたその言葉は、私の名前は、大好きな大好きな声は、私の耳と心を揺らしてくれた。
「私も、堂前さんがいいです…、！！！！」
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作者名：かどき | 作成日時：2024年3月12日 23時
