やっぱり好き、やねん。 (ページ24)

今日:105 hit、昨日:400 hit、合計:16,616 hit

. ページ24

「い、いやぁ、私もわ、わかんないです、…」
『そやんねぇ〜。勘弁することなんてなんも無いよ〜。』

多分、心臓の鼓動とか寿命的には勘弁してくださった方が良かったんだろうけど、名前を呼ばれる、その欲求に抗えずに知らないふりをした。

なんだか今日のゲム念、こんなはずでは無かったのに、……。

こんな、こんな胸がギュッとしてしまうはずじゃなかったのに。

『皆さん、なむあみ〜〜。』
「なむあみです〜〜！」

『おっけ〜、今日はありがとうな〜。』
「いえいえこちらこそ…！めちゃくちゃ楽しかったです、！」

1時間と22分、堂前さんとの生配信が無事に終了した。

あれからずっと、なんとなく上手く喋れてない気がして、まるで普段の自分じゃないような気がして早く早く生配信が終わってほしくて仕方ない気持ちと一生この時が続けば良いのにという真逆の気持ちを抱えたままゲームをプレイした。

未だ自分の気持ちに全く整理がつかない中、携帯の着信音がした。

慌てて横にある携帯を手に取ったけど、その携帯は全く揺れも鳴りもしなかった。

『あ、ごめん電話や。ちょっとだけ待っといてくれる？』
「全然！待ってます待ってます。」

電話が来たからここで終わりにしよう、そう言われるかと思ったのにそうでは無かった。
ふとしたことに胸がときめいてしまう。

堂前さんの声が少し遠ざかる。

ふぅ、と息を溢してもう一度携帯を手に取ると辻さんからメッセージが1件、届いていた。

辻今日は楽しめた?難しく考えてへんか?

思わずただの文字の羅列にドキッとする。

私、ずっとずっと辻さんからの言葉忘れてた。

難しく、考えてしまって楽しむってことを忘れてたかもしれない。