やっぱり好き、やねん。 (ページ23)

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『っしゃ、じゃあ＂A＂行くぞ〜〜。』

え、いや、……え、

「……んぐっ、ごふっ……っ、、…！、！！！」

『え』

「ゴホッ、ゴホッ……！！！
ちょ、あああ、あ、Aってよ、呼びました、っ、……！？！、！？、？！」

『いや、よ、呼んだけど……だ、大丈夫やった、？笑めっちゃむせてたやん！笑』

「いやいや、だって……！！！な、名前……。」
『もしかして嫌やった、？』
「いやいやいやいや全くです！！！！！むしろ、」
『むしろ？』

「めちゃくちゃ、嬉しかったです………。」

『A！降りてる降りてる！』
「うわぁぁぁああぁぁあ！？！？！？！？」

堂前さんにまたもや名前を呼ばれほぼパニック状態ながらも棒立ちになっている自分のキャラクターをなんとか動かす。

『あ、あっちに敵おるわ〜。』
「は、はいぃ、……了解です、…。」

心臓の音はうるさいし手と声は震えるし…、

＂A大丈夫？行けそう？＂

＂A、こっちおいで。＂

＂A！後ろ！危ない！

……俺が守らんとAが狙われすぎてあかんなぁ。＂

＂あら、Aダウンしちゃった？誰やAを倒したやつ！覚えとけよ〜！！＂

『お！ちゃんぴおーん！』

「か、勝った、………。」

色んな意味で常にやられそうで死にかけだったけどなんとか色んなものに勝った気がする。

『Aのこと守りたかったけど俺守られまくってたなぁ。』
「いえいえいえ、……そ、そんな、」

試合が終わってなんだか自分の中に張り詰めていた何かがプツン、と切れたような気がしてゲーミングチェアに背中を預けて乾き切った喉に水を流し込んだ。

『"ちゃんぽんおめでとうございます！"、"GG！"色々コメントが来ておりますね〜やったぁ、嬉しい。

ん？"堂前さんそろそろAちゃんが限界を迎えそうなので勘弁してあげてください"？
そうなん？A、限界迎えそうなん？』

「ぐえっ、！？、？あ、え、！？！？」

驚いた反動で椅子にもたれかかってたのに体を飛び起こしてしまった。

『なんの限界？何を勘弁したらええんやろ〜。』

全く何も考えてなくて、何も気づいてないようで。

だけどやっぱりきっと色んなことを考えてて色んなことに気づいてそうな、

間延びした声が両耳から鮮明に聞こえる。

ほんま、良いヘッドホン買うんやなかった、。