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ふと、小さなお鼻が息を吸い込んだり吐いたりする度に少し動いてるのを見て、好奇心任せにほんの少し。ほんのちょぴっとだけ。
鼻を摘んでみる。
その瞬間、Aの何処からか知らんけどふごっ、と変な音が奏でられてAの瞼がそーっと開く。
まだ寝ぼけているのか、とろんとしている(良くない例えかもしれないが)催眠術にでもかかったような目が、俺のことをぼんやりと捉える。
数回、ぱちぱちと瞬きをして目を擦った後、もう一度開いた目が完全に俺を捉えた。
真っ黒な瞳が、こちらを向いている。
「………おまえ"、い"じわる"、じだな"、………。」
『……声ガッスガスやん、笑』
寝起きで掠れてるどころじゃないガスガスの低い声でAが喋る。
「…………んもーーー、、、鼻摘まんといてよ〜〜〜…………！！！」
ソファーの背もたれ側に寝返りを打ってこちらに背を向けながら顔を手で覆ってそう叫ぶA。
『何があかんの、』
「逆に何が良いの？？？同期の鼻摘むの何が楽しいん、」
食い気味に返されて戸惑ってしまう。
確かに、なんで俺はAの鼻を摘みたくなったんやろ？
明確な理由は俺自身にもわからんけど、ひとつ確かなことがある。
『かわいかってん。』
「……………はぁ、？」
予測不能な俺の言葉にAが首だけこちらに向けて振り返る。
『鼻が。』
「おまえなにいってんねんまじで、……。あたまおかしなってんのそっちのほおやんけ、」
少し、いやだいぶダルそうにしながらもノロノロとツッコミを入れてくれた後また向こうを向いてしまった。
そっちの方って、俺こいつに頭おかしなってるとか言ったっけ、？
あっ、
『…………きゅ、キュートアグレッション！！！！！！！！』
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作者名：かどき | 作成日時：2024年3月12日 23時
