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「気づき、ました…？」
『そりゃ気づくやろ。かわええんやもん。』
そう言って微笑むリリーさんに心臓がドキン、と跳ねる。
なんでもない、ただのメイクなんかの私の髪型に気づいてくれるのが嬉しくてまたひとつリリーさんを好きになってしまいそうになる。
「ありがとうございます…今日、実は張り切っちゃいました、笑」
『………俺に会える日やから？』
鏡の向こうにいるリリーさんは悪戯な笑みを浮かべている。
わかって聞いているんだ、きっと。
そんな狡さが好きで好きでたまらない。
私が好きになってしまったリリーさんは、そう言う人だ。
「……そうです、よ。」
『……ありがとな。朝早くに起きて大変ちゃう？』
「大変ですけど、かわいいって言ってもらえるなら辛くは無いですよ？」
早まる心臓の音を悟られないようにそう告げると、リリーさんは「そっか、」ともう一度優しく微笑んで手元の携帯に目線を落とした。
「CM入りまーーす！！」
ディレクターさんの声がスタジオ内に響き渡る。
カメラの裏で次のコーナーへの準備が着々と進む中上段の一番右に座るリリーさんの元に駆けつけた。
さっきのコーナーで少し動く場面があったので髪の毛の直しをしておきたい。
「髪の毛直しときますね。」
横で盛山さんが水を飲みながら隣に座っているロングコートダディの兎さんとお話している。
「どっか気になるところありますか？」
鏡をお渡しして一通り髪全体を見せる。
『んー、……Aちゃんかな、』
「…………っえ、？」
『俺はAちゃんが気になる。やから、今日の夜空けといて。』
鏡をこちらに手渡ししながら漫画のような台詞をさらっと並べてしまった目の前の彼に思わずまた鼓動が早まっていく。
「…わ、かりました、……。」
消え入りそうな声をなんとか振り絞り震える手で鏡を受け取る。
そろそろCMが明けるから裏に戻らないと…。
「そ、それじゃあまた後、で……！」
慌てて踵を返すと後ろで声が聞こえて思わず振り返る。
『俺の為にかわいくなってくれた女の子、ほっとけんやろ？』
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更新遅くなりましたすみません😭🙇🏻
日本一明るい○曜日シリーズ続編あります！！多分！！
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作者名：かどき | 作成日時：2024年3月12日 23時
