やっぱり好き、やねん。 (ページ12)

今日:103 hit、昨日:180 hit、合計:16,794 hit

. ページ12

『お待たせ〜、どう？』
「今日もめちゃくちゃ似合ってます。」
『ほんま？ありがとう。』

少し前に一回衣装似合ってますねって言ったのがきっかけで、それから毎回リリーさんは着替え終わりに私に感想を求めてくる。
お洒落なスーツが似合ってて大人っぽいのに手を横に伸ばしてスーツを見せてくるリリーさんはどこか子供のようなかわいらしさがある。そして似合ってない日が無いので毎回似合ってる、と一声かけると嬉しそうに目を細めて毎回感謝をしてくれる。

「このスーツめちゃくちゃいいですね！さりげないチェックがかわいい。」
『チェック入っとるのかわいいよな。わかるわ。』

色んな番組で色んな方の担当をさせていただくことが最近増えたけれど、リリーさんはまだ新人の頃から少しずつ担当させてもらっていたし今も気さくに沢山お話してくださるからリリーさんの担当が入ってるとわかりやすく気分が上がってしまう。

椅子を回して、腰掛けたリリーさんにブランケットを渡しながらもう一度椅子を回して鏡に対して正面を向いてもらう。

「今日どうします〜？何か希望とかあれば…。」
『やったら、……Aちゃんが好きなやつにしてもらおかな。』

ほら、すぐそういうこと言っちゃう。

「もー、、またリリーさんそういうこと言う。そんなことしちゃったら私波打ちしかできないですってば！」
『俺はそれで全然ええんやけどな。でも先週してないやろ？』
「してないですね。」
『じゃあ、Aちゃんが思う一番かっこいい俺にしてや。』

「わかりましたよ、とびっきりかっこよくしちゃいますからね！」

アイロンの電源を入れ、温度を調節する。

これまた私が昔にリリーさんは波打ちが個人的には一番似合ってて好きです、と言った時から毎回それにしてと言われるようになった。

「一回ピンで留めますね〜。」

さらさらの黒髪に触れて髪の毛をダッカールでブロッキングする。
リリーさんは自分でくせ毛と言っていて、確かにストレートでは無いけれど傷みは中々少なく綺麗な髪質をされていらっしゃるなと思っている。

『Aちゃんその髪型かわええな。初めて見た気がする。』

その声に反応して、ふとリリーさんの髪の毛から目を離して鏡に目線を移すと、リリーさんの綺麗な二重瞼の目と私の目がバッチリと重なってしまった。

実は、今日水曜日でリリーさんに会えるからって気合い入れてやったことないアレンジしてみてきたんだった……。