やっぱり好き、やねん。 (ページ11)

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日本一明るい水曜日。M.ll ページ11

29期×スタッフ

「おはようございまーす…。」

午前6:20。出勤。

眠たそうな警備員さんや受付の方に少し小さめ低めトーンで挨拶をする。

今日も朝8:00から、日本でいちばん明るい番組がここ、TBSから始まります。
そのために動く我々裏方陣、そして何より出演される演者の皆さん。
相も変わらずバタバタスタートの予感がしています……。

「おはようございます。」

本日何度目になるかわからない挨拶をしながらそっと楽屋のドアを開ける。
裏方と言っても私の仕事はいわゆる「メイクさん」。
つまり、皆さんの髪型や外見を整えたりお直しさせていただくお仕事。
とは言えこの番組に出演される演者さんは3人とかでは無いのでメイクさんも数人いる。

まだケータリングがひとつも減っていない部屋に荷物を下ろし、使う道具を取り出していく。

生放送、遅れるなんてことは絶対に許されないので今のうちにアイロンをコンセントに挿しいつでも温めれる状態にしておく。

他には……ワックスと、ブラシと櫛と……

『……おざーす、。』
松「おはようございまーす。」

「あ、おはようございます！」

ふたつの声が聞こえて振り向くと到着された見取り図のリリーさんとマネージャーの松川さんがいらっしゃった。

そう、私が担当させていただいているのは見取り図のおふたりだ。

…と言っても、盛山さんはワックスをつけてしまえばほぼ完成に等しいので、主にリリーさんの担当をしていると言った方が正しいかもしれない。

『おはよー、Aちゃん。』
「おはようございます、リリーさん。」

荷物を下ろしたリリーさんがこちらにきてポン、と肩を叩かれる。
リリーさんは距離感が近いというか、全然嫌な近さじゃなくて寧ろ嬉しい近さだけどさりげない気遣いやボディタッチが多くて本当にいつもドキドキしてしまう。
計算なんて0でそれを飄々とやってのけてしまっていそうなところが尚更。

『ちょっと待っとってな。着替えてくるし。』
「はーい。ゆっくりで大丈夫ですよ〜。」

そう言ってリリーさんはハンガーにかかってる衣装に手をかけた。
衣装はスタイリストさんが準備されているので私はよくわかってないけれど、いつも洒落たスーツが本当によく似合っている。
リリーさんは私服では少しダボっとしているズボンも履かれるから改めてスラっと伸びた長い足がよく映えててかっこいいな〜とついつい見惚れてしまう。