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詳しいことを、誠也くんは何ひとつ聞いてこなかった。ただ、楽しい話をしたり、変顔をしてふざけたり。そんな彼らしい優しさが、澱んだ心を癒してくれた。
｢…そういえば、なんで突然玄関に？｣
｢え？今更？笑｣
｢ご、ごめん。聞くタイミングを逃しちゃって、｣
｢明日、神宮で試合だから、実家帰って爆睡してて。夜は葵さんに会いに行こうと思って、いつもみたいに待ってたら、めそめそ葵ちゃんが現れてビビった。笑｣
｢そうだったんだね。せっかく会いに来てくれたのに…本当にごめんね｣
｢んーん。かわいい泣き顔見れたから。笑｣
｢…結構きちんと落ち込んでたんだよ｣
｢うん、分かってる。ごめんごめん、怒らないで｣
俺はすっきり泣かせてあげてから、慰めることに全力を尽くそうと思った。ただ、慰め方が分からなくて、茶化すようになっちゃったけど。
そう、少し困ったように笑って、ソファーに座り直した誠也くん。
私のことを私より理解してくれるひとが、こんなに近くにいて、本当にしあわせ者だ。ひとりだったら泣くだけ泣いて、すぐには前を向けなかった。
｢葵さん、｣
｢ん？｣
｢目、腫れちゃうね｣
｢うん。でも、良いの。誠也くんが甘えさせてくれたから、またがんばれるよ｣
｢…えへへ、｣
｢ありがとう｣
｢うん。がんばりすぎない程度にね｣
｢うん。誠也くんも。もうすぐ開幕だもんね…あ！開幕なのに、また外で待ってたことを、怒らなきゃと思ったんだった！｣
｢言われると思った！笑 でもそんなに待たないように、時間見て来たから大丈夫｣
｢それでもだめだよ。体調崩したらどうするの？今度はきちんと連絡してね｣
｢葵さんをあそこで待つ時間が、俺結構すきなんだよ｣
｢でも、…やっぱりだめ。まだまだ夜は寒いし、誠也くんが万全で試合に挑めなかったら、私は悲しい｣
｢…以後、気を付けます｣
しゅん、と耳が垂れながらも、良い子になるから、今日お泊まりしてもいい？そう、かわいい顔して聞いてきた誠也くん。もちろん、私が断れないって分かっていて、聞いてくるんだろうな。
｢うん、いいよ。いいけど、明日も早いんだから、ごはん食べてお風呂入って、すぐ寝ること！良い？｣
｢えー！ちょっとだけえっちなこと…｣
｢…っしない！だめ！｣
｢顔赤。笑｣
大人しくするよ、そう笑う彼には、まだまだ叶わない気がした。
＿＿
鈴木さんに慰められたいだけのおはなしでした。
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aoi(プロフ) - みささん» 喜んでもらえてよかったです…！私もリクエストを描かせていただいたことが、実は初めてだったので…少しでも楽しんでもらえてよかったです＊こちらこそこそ、リクエストありがとうございました。 (2019年6月3日 20時) (
レス) id: 7976bd9ab4 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - aoiさん、今回はリクエストに応えていただきありがとうございました。作者さんにリクエストをしたのは初めてのことだったので感激しました！彼女と龍馬くんのことで頭がいっぱいの誠也くん、もう可愛くて可愛くて…！笑ステキな作品をありがとうございました。 (2019年6月2日 18時) (レス) id: 4640caef6b (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - あおさん» 全て拝読していただいたようで、ありがとうございます。そして本当に嬉しいお言葉まで…！これからも選手の魅力が伝わるようなおはなしを、楽しく描いていければなと思います。ゆったり更新させてもらってます、これからもよろしくお願いします＊ (2019年5月28日 2時) (レス) id: 7976bd9ab4 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - aoiさんの小説全て読ませていただきました。水彩画のようなふんわりしたあったかい文章がとても素敵で、初めて拝読するお相手でもその方の魅力がとても伝わってきて、次はこの人に注目してみよう！と思いました。再読しながら更新をお待ちしております！ (2019年5月27日 21時) (レス) id: 9596e5bcb4 (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みささん» はじめまして＊うれしいコメント、ありがとうございます。私が描く誠也くんは、全力ででれでれなので…きゅんきゅんしてもらえたら何よりです〇主人公ちゃんと龍馬くんには仲良くしてもらって、誠也くんにヤキモチ妬かせちゃいましょ！笑 参考にさせて頂きます＊ (2019年5月20日 23時) (レス) id: 7976bd9ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月3日 2時
