好きじゃない.20 ページ20
貴「はい、ちゃんと頂きますして食べてね」
そう言いながら椅子に座る
「ねーちゃん、俺ピーマン嫌い」
貴「ちゃんと食べて」
小学3年生の次男は最近ヤンチャになってきた
3人の中で1番好き嫌いが多いし
「醤油取って、姉ちゃん」
貴「はいはい」
「ねーちゃ！こぼした！」
貴「ちょ、待って。拭くから動かないで」
お茶を零した三男もずぶ濡れ
「ねーちゃん！ピーマンいらない！」
貴「好き嫌いしたらダメって言ってるの」
「ねーちゃ、つべたい」
「なー、醤油取って」
貴「待ってって言ったよね」
「やだ！不味いもん！食べたくない！」
そう言って騒いだ拍子に腕が当たり
取り皿がひっくり返る
「醤油まだー？」
「べちゃべちゃ…」
ーﾊﾞﾝｯ
さっきまで煩かった部屋が一気に静まりかえる
私が机を叩いたせいで箸が転がって落ちた
貴「…いい加減にして…」
出た声は思っていたより低かった
貴「食べたくないなら、不味いなら食べなくていい。歯磨いて早く寝て。ねぇ、醤油くらい取れるよね？それ絶対私が取らないといけないものだった？」
「……」
強く言いすぎた、なんて反省する余裕もなかった
三男を抱えて脱衣所に行き着替えさせる
戻ってきたら濡れていたはずの床は拭きあげられていた
「ごめん…おやすみ…」
「…おやすみなさい…」
貴「…おやすみ」
まだ寝るには早すぎる
きっと部屋で過ごすのだろう
「ねーちゃ…出ていかないで…」
貴「…行かないよ。ごめんね、怖かったね」
抱きしめて背中を叩いているうちに
寝てしまった三男を2階まで運ぶ
貴「……はぁ」
甘やかしすぎたのかな…
我慢させずに育てすぎたのかな…
わかんないよ…
自分だってまだ大人じゃないし正解なんて…
テーブルの片付けを済ませ
お風呂に入った
モヤモヤしたまま参考書と問題集を開く
私の部屋は三男と同じ
4歳の子に一人部屋なんて与えられない
寝てるから電気もつけられない
勉強する時はいつもリビングだ
貴「…もう、、ダメだ…」
全然集中できない…
頭に入ってこない…
こんなんじゃ…進学できない…
自分の情けなさに涙が出た
なんで頼んねぇの、って…
じゃあ、、頼ったら助けてくれるの…？
そのとき、鞄についたクマのストラップが目に入る
修二くんとお揃いで買ったやつ
可愛いって言ってくれるの修二くんだけなんだよ
初めて言われたから
冗談だと思ってたのに
何回も言うから
何回も言葉をこぼすから
…本気なのかな…とか思っちゃうじゃん…
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咲良(プロフ) - bloodyrose77さん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます…！続編については検討させて頂きます！作者も続編書きたいです(小声) (2022年6月12日 19時) (
レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
bloodyrose77(プロフ) - とっても面白かったです！ぜひ続編書いていただきたいです！ラブラブな2人を読みたいですっ (2022年6月12日 17時) (レス) @page24 id: 1b5535e4ab (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 綺羅さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年1月16日 21時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 夢主ちゃん…つらい思いしとるんやなぁ…我慢しなくてええんやで。更新楽しみにしてます！！ (2022年1月16日 17時) (レス) @page20 id: 1c40c756d3 (このIDを非表示/違反報告)
マリア(プロフ) - 不器用ダーリンを読ませて頂いて凄くキュンキュンしました！春千代の不器用さがリアルな感じで好きです！なので�△魎�望します！作者さんのお話東リベ関連全部好きです！応援してます！ (2022年1月13日 8時) (レス) @page13 id: aa4eb16e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山口咲良
| 作成日時：2021年12月10日 23時
