ボーダーライン

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side...Alan





玲於が遅れてバスに乗り込んできて、出発まであと15分ってくらいだけど、



まだ伊藤さんの姿は見えない






時間はまだ少しあるにしろ、アーティストが揃ってるのにヘアメイクが1番最後って随分余裕があるんだなって









亜「なんか偉そう」






隼「え？」






亜「あ、なんもない」







思わず心の声が漏れてしまった








龍「これからロケやのにテンション下がんなや！笑」





涼「ロケはより楽しく行こうよ笑」





裕「今日は華の女子高ですよ！」






亜「さいこぉーーうっ！」









ひと盛り上がりして落ち着いた車内



出発10分前に乗り込んできた伊藤さん







みんなはSNSに夢中だったり仮眠したりで自分の時間を過ごしている









俺はそっとあの無愛想な伊藤さんに近づいた









亜「ねぇ、ここ、取れちゃった」








わざと首筋を擦って露わになったあれを指差した









『、、じゃあここ、座ってください』






何のためらいもなく、自分の席の隣を指差す





その余裕さに少しの苛立ちを感じながらも指示に従うと、道具の中から先ほど使っていただろう筆やパフを取り出した。









亜「え、、」






『どうしました？』









さっき使っていたとは思えないくらい、綺麗すぎる道具たちに言葉を失った








アーティストより遅れてきたけど、






集合時間は余裕で間に合っていて、







仕事道具は完璧に綺麗になっていて、








その道具たちが自分の肌に触れることになんの抵抗感も覚える事がなかった









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