ボーダーライン

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準備をしている伊藤さんの横顔をなんとなく眺めていた






黒くて綺麗な髪がサラサラと流れ落ちて、それを耳にかける仕草にドキッとする









隼「ぁああー！！亜嵐くんこれはダメでしょっ！！」





龍「うわ、えっちぃ〜」





後ろの方でギャーギャー叫ぶ龍友くんと隼の方へ目線をやる






隼「涼太くんこれ見て！」





ゲラゲラ笑う隼の指差すその先は



亜嵐くんの首筋








玲「今日収録なのにダメでしょ笑」





亜「だってー笑」





メ「だってじゃないっしょ笑」





最近の亜嵐くんは少し
いや、だいぶだらしない。






隼「ちょ、Aちゃんも見てー！！」




隼はゲラゲラ笑いながら伊藤さんの腕を引っ張って連れてきた




何事ですか？と少し眉間に皺を寄せてから、呆れたような顔をしている









亜「伊藤さんにも付けてあげよっか？」









『どうでもいいですけど、どなたからヘアメイクしますか？』





龍「こっわ笑」







亜「むかつくー。」







亜嵐くんのとんでもない発言を、どうでもいいと払拭する伊藤さんに周りの空気が気まずくなる





涼「じゃあ俺からお願いしていい？」






その空気に耐えれ切れなくなって思わず名乗り出た



『はい。』







席に着いて肩にタオルを掛けてもらい、作業にとりかかってもらう




後ろでごにょごにょと亜嵐くんに注意するメンバー達





鏡越しに亜嵐くんを盗み見ると不貞腐れた顔で携帯をいじっている








涼「ごめんね？悪い人じゃないからさ、、許してあげて？」






『？ 全く気にしてませんよ』







何をそんなに気にする必要があるのか？
とでも言うように気にもとめることもなく淡々と俺をかっこよくしてくれる伊藤さん





初めてなのに好みや、似合う髪型を研究してきてくれたのか


違和感どころか安心に近いようなものを感じて









少しだけ胸が熱くなったのを気付いてないフリをした









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