この愛、おいくらですか？《SVT》 (ページ20)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:2,202 hit

期待ハズレページ20

JSside

Aが僕達を買った詳しい理由。そして愛が欲しい理由を少しずつ語り始めた。

『最初に言っておくけど、私は自分の家族からは｢期待ハズレ｣なの。私は期待ハズレって呼ばれる。
ほら、私はお金持ちの家に生まれているでしょう？父は大きな企業の社長なの…。父の企業は成績優秀者だったり、その他のことも完璧にこなす人だけ受け入れる会社でね？

父は生まれた自分の子供を完璧に仕立てて自分の跡継ぎにさせるっていうのをずっと考えてた。私には兄と姉がいるんだけど、私達は塾とか習い事とか物心ついた時からずっと通わされてたの。行きたくなくても強制的に、親の未来の為に。

でも、私だけ上手く良い成績を残せなかった。だから私は親から愛を貰うことが出来なかった。父はともかく母まで私のことを無視するの。だから、どうして？って母に聞いた。
そしたら、

｢あなたは所詮期待ハズレだから。そんなやつが愛を貰うだなんて厚かましい｣

って言われた。近くにいた父にも

｢お前には本当にガッカリだ。期待ハズレは育てる価値もない｣

って言われた。

だから、なんとか中学生になるまで我慢して、そこから私はこの家に1人で引っ越すことにした。って言っても使われなくなってた別荘なんだけど……。
愛は与えなかったくせにあの2人はお金だけくれた。そのお金は愛の代償で、私に取ったらただのワイロに過ぎなかった。愛とお金のワイロ。

20歳になるまで親の支配下にあった私だけど、今日やっとその支配から解放された。

でも、解放されても私の心には足りないものがあったの』

JN｢愛……？｣

ジュニがそう言うと

『そう、愛が足りなかった』

って言うA。

少なくとも、まだ僕は、生まれた時は親から愛情を貰っていた。
Aみたいに愛を貰ったことがないなんてことなかった。

僕らが想像してた以上にAは辛い思いをしていたんだ…