この愛、おいくらですか？《SVT》 (ページ11)

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僕達の家族ページ11

DNside

僕達は皆、親に売られて人間オークションに来た。

かれこれ10年は一緒にいると思う。
でも今日ついにオークションに出されてしまう日が来たんだ。

ステージに出ればたくさんの人で溢れかえってた。
どの人もきっと僕達を悪い様にしか使わないんだと思った

売られるこの日が来るまでに僕達は色んなことを教えられた。

ご主人様には口答えしないこと。
しっかり言うことを聞くこと。
反抗しないこと。

性行為のことだって教えられたんだ。
実際にやらされたよ、、。女性にはこれをしなさいって教えられた。

男性には絶対に口答えはしてはいけない。暴力を振られても何も言うなと言われた。
暴力を振られても何も言えなくなるように毎日ムチで叩かれた。何回も。

僕の人生は、こんなもんなんだって思った。こんな風になるなら早く死んでしまいたいとも思った。

今日のこの日。僕達の人生は終わる、と。そう思ってた。

『100億円!!!』

1人の女性がそう声を上げた。その瞬間に絶望した。そんなにお金持ちな彼女が僕達を買うのはきっと欲求不満を満たすためだとばかり思ってた。

初めて彼女に顔を合わせる時、何故か表情が優しかった。

請求の書類をチラ見したけれど、そこには100億じゃなくて300億と書いてあった。

この人は僕達にこんなにお金をかけるの？どうして？
純粋にそう思った、けどその時はまだよく分からなかった。

彼女の名前はAと言うらしい。

僕達は車に乗せられた。ほんとにお金持ちだ。

リムジンで、執事付き。でもあたりまえだよね、300億も払ったんだから。

なかなか僕はリムジンに乗り込めなかった。

そしたら彼女が優しく声をかけてくれた。
ちょっとだけ安心してしまった

でも安心して正解だったのかもしれない。
リムジンの中で、どうして僕達を買ったのか話してくれた。

"愛が欲しい"らしい。

そして、大雑把に言えば普通に生きたいってことを言ってた。
……ほんとなんでか分からないんだけど、僕達と同じものを感じた。

だから信用していいのかなって。

僕はちょっとの期待にかけたい

A…………………ヌナが僕達の新しい家族だ。