渡辺翔太は今日も幼なじみに振り回されている。

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渡辺side










深澤「ほれ、買ってきたよ。A大丈夫〜？」




「ん、え？なんでふっかが？」




渡辺「こうでもしないとお前薬飲まないだろ。どうせ明日には治るって言って」




深澤「なるほどね〜人に迷惑かけたくないAの性格を逆手に取ったんだ。さすが幼なじみ笑」




渡辺「にやにやすんな気持ち悪い」




深澤「ひっどーい。それにしても辛そうだな…早く薬飲みな」




「ごめん…ありがとうふっか」













今まで生理痛ひどいタイプじゃなかったのに、最近忙しかったからか寝込んでいるA。




薬を買いに行こうとしてもいらないから翔太は家に帰って休んでって言われて。でもこんなに辛そうなのにそのままにしておけない。だから深澤を呼んだ。













俺をちらっと見て睨む目も、顔色の悪さから全く迫力がない。相当きついんだろう。





それでも、金曜の夜にわざわざ深澤に買ってこさせた罪悪感なのか。Aはささっと薬を飲んだ。














渡辺「てか、いつも具合悪い時は呼び合うじゃん。なんで帰ってとか言うんだよ」





「たいしたことないから」





渡辺「どこがたいしたことないんだか…」





「だからもう、」





渡辺「帰んないよ。ほら、飲んだら寝とけ」





「なっ、まだ何も言ってないのに」





深澤「完全に読まれたね」













普段の勢いはなくても言い返す気力はまだあるんだと少し安心。ふっかと目を合わせると、「相変わらず手がかかるね」と言っているような気がした。

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