背負いし物 ページ8
「助けを求めて伸ばされた手を俺は保身がためだけに掴めなかった・・・」
悲しみを孕んだ瞳で自分の右の掌を見つめる
「絶対に守ると約束したはずなのに!俺は、その手を掴めなかった!そんな自分が嫌だった。」
「キリト・・・・・」
「何度も死のうと思った。けど、駄目だった・・・何度試しても足が進まなかった。」
彼の背中が小刻みに震え始める
「酷い話だよな、他人の命はあっさり捨てちまったのに自分になると捨てられねえなんてよ・・・・・」
俺は知ってる、こいつが簡単に人の命を捨てないことを。たとえそれが自分にリスクしか無かったとしても彼は自分の命を投げ打ってまでも彼はその手を掴むだろう
「失望したか?」
「まさか。それで、ルナの方は?」
「あいつは事故だったよ・・・
ルナを庇おうとして代わりに車道に出たところをな・・・」
「そうか・・・けどそれが彼女の暴走と何が関係があるのか?」
「事故とはいったが正確に言えば半分殺されたようなもんだな・・・
ルナ庇ったと俺は言ったが、その時あいつは何者かに後ろから押されたんだよ。」
思い出すだけで辛いのだろうか、苦痛に歪んだ表情で言葉を紡ぐキリト
「それで、暴走の理由だけど、
ルナは自分の背中を押したのは俺だと思っているんだよ。」
「おいおい、まさか今もルナは・・・」
「少しは収まってこそいれど、心のどこかで恨んでるだろうな、だから工なっちまうんだろうな。」
「お前は真犯人を知っているのか?」
「ああ。だからこそ俺は嘘を付いたんだ。小学生のこいつには抱えきれない重荷を背負わせないためにな。」
「キリト、お前どうしてそこまで・・・」
「けじめだよ。」
「けじめ?」
「俺はあいつの手を掴めずに殺してしまった。だからルナを自分に重ねてさ・・・自己満足かも知れないけど、せめてあいつが新たに踏み出すまでは俺が見守ってやりたくてな。」
「キリト、お前・・・」
「あいつが死んじまった時点でもう生きる価値もないと思ってた俺が唯一生きていく意味を見つけたんだ、ルナが本気で傍に居たいと思える人ができるまで俺は命かけるつもりさ。」
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼炎の覇者 - SHEI☆さん» コメントありがとうございます!いえいえ評価していただけるだけでもありがたいです!相変わらす更新はきまぐれですが最後まで応援していただけると幸いです!自分もキリトとシノン大好きです! (2017年12月30日 1時) (レス) id: ab10c74eb4 (このIDを非表示/違反報告)
SHEI☆ - 頑張ってくださいねー!シノンとキリト大好きなんですっ! (2017年12月29日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
SHEI☆ - これからもファイトです!q(*・ω・*)pファイト! (2017年12月29日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
SHEI☆ - とても面白いです!これからも頑張ってください!完結するまでずっと応援しています!ログインしていないので、お気に入り登録は出来ませんが........(^_^; 評価押しときます! (2017年12月29日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蒼炎の覇者 | 作成日時:2017年6月24日 21時