【SAO】永遠なる世界 3

常識は覆される ページ16

パリィン









“異質”









と言うべきなのであろうか、頭数だけ見るなら1000は軽く越えるだろう人数を揃えるこの場所に金属質の金切り音だけが虚しく鳴り響く









そこに流れる空気、感情、全てにおいて異質であった









「・・・・・・・」









皆揃いも揃って目を見開き、出る言葉も無く、ただただ先まで男がいたはずの“そこ”を凝視していた









会話は愚か、呼吸音、風の吹く音すらその静寂の一部となる









「・・・・し、死んだだと！？」









一人、耐えられなくなったのかはたまた目の前で起こったそれを黙認することを自ら拒否したいのかは知らないが、この静寂を破るもの１つ









「さっきまでピンピン動いてたよなあ！？」









ただ一人叫び、問う彼の言葉に返そうと思うプレーヤーは誰一人として存在しない









全員この現状を理解するのに頭が追い付かないのだ









幾ら多勢とはいえ、相手は攻略組レッドゾーンで相対するのはまずありえない









つまり何者かはほぼ満タンのHP
を一撃でしとめたのだ、誰がそれを認められようか









更に加えればまずこの状況下にて隠蔽スキルなど発動しない。つまり近接武器を使えるはずもない、そう見えざる敵は刀剣スキル一発で倒したことになる









刀剣をまずメインで使う者はまずいない。その攻撃力の低さと使い捨てによる浪費がバカにならないのだ









“常識とは覆すために存在するのだ”









古い格言にこんな言葉がある。
イレギュラーはいついかなる場合にも起こりうるのだ、例えそこが1と零しか存在しないプログラムと言う名のレールの上にしかれたゲームといえど例外ではない









無論プレーヤーにシステムを凌駕する力など存在しえない。ならばその異分子とは何か、









“ユニークスキル”









存在そのものがイレギュラーであり、全てが謎であり、全ての常識を覆さんとする異分子









「Let's party と行こうじゃねえか！」









そのスキルをも凌駕する存在を彼は有するというのだ、誰がそれを認めると言うのか









「Poh・・・・・」

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