・(dn side) ページ27
ー dn side ー
僕の隣の席の、キム・Aちゃん
あの日から毎日話しかけてるんだけど、
ほぼ僕が一方的に話してるだけ
それでもいい、その瞳に僕が映るなら。
あの日、僕が寝過ごして終点まで行っちゃった時。
まだ時間もそこまで遅くなかったし
寝過ごしたとは言え、初めて降りた駅だったから
少し散策してみようと思って改札を抜けたんだ。
そしたら、1人の女の子が路上ライブをしていた
長い髪の毛は緩く巻かれていて、前髪はセンターパート。
オーバーサイズのTシャツからは
綺麗な白い肌をした長い脚を覗かせている。
僕は思わず息を呑んだ
聞こえてくるギターの音色と、透き通るような綺麗な声。
ギターを抱えて、ただ前を見て歌っているその姿が
とてもかっこよかったんだ
彼女の前にはかなりの人集りが出来ていたから、
僕は端っこの方でその綺麗な音を聞いて
彼女がギターやマイクを片付ける姿までずっと見ていた。
…だから、分かったんだ
彼女が、僕の隣の席のAちゃんだって
ギターのケースのチャックに付いているキーホルダー。
それは、Aちゃんのペンケースにもスクバにも付いている
かなりマニアックなキャラクターと一緒のものだった。
それだけで彼女だと判断するには材料に欠けるけど、
僕は確かにあの瞳を見たことがあった。
授業中、何となく窓の方を向いていた時
メガネを外してメガネを拭いていた彼女の前髪は
突然吹いた風によってふわりと揺れた。
普段は隠されている瞳
あの時に見えたその瞳と同じだったから。
きっと、あれはAちゃんだと思う
あの日から、僕はAちゃんと話すために朝早く起きて
dn「ねえ、Aちゃん聞いて！」
僕は君の頭の上のヘッドホンを外すんだ。
それでも、僕のこの毎日話しかける作戦はちゃんと効果を発揮していて
「チャンくん…今日も後ろ跳ねてるよ、ㅎ」
そう言って僕の寝癖を直してくれるまでになった。
あの日の路上ライブ以降、
僕はまた君の歌声を聞きたくて毎日あの駅で降りるんだ。
毎日やっている訳ではなくて、多分週に1回のペース
だけど、その曜日はいつも違うから、毎日あの駅で降りる
本当は君に直接聞けばいいんだろうけど、
君はそれを望まないかもしれないから。
今日も ” 君の奏でる歌が1番好き ”
そう心の中で思いながら、その姿を僕は見るんだ。
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紗良(プロフ) - あおさん» コメントありがとうございます（т-т）このくぷすパートは絶対こういう系で書くって決めてました！😹 最高なお話だなんて、、もうそうやって言って頂けるだけでとても嬉しいです😭これからも良ければ読んでくださると嬉しいです🥺💖 (8月19日 18時) (
レス) id: 24b5647c5f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - くぷす編切なすぎて泣いてます😭毎回最高なお話しありがとうございます🩵🙏🏻 (8月19日 14時) (レス) @page32 id: b42a38ca21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗良 | 作成日時：2023年8月3日 14時
