ヘッドホン (dn) ページ26
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隣の席の、イ・チャンくん。
いつも髪の毛をぴょんぴょんさせながら
遅刻ギリギリに来て、
” ふ〜、間に合った！ ”
そう言って机に項垂れる、イ・チャンくん。
隣の席だからといって特段仲がいい訳でもない。
私は学校ではメガネだし、それに加えて長く重たい前髪。
化粧っ気は無いし、誰がどう見ても地味な部類に属していると思う。
そんな私が、いつもクラスメイトに囲まれて楽しそうな
所謂陽キャと呼ばれる部類に属する彼との接点など、
ただ席が隣同士ということしか無かったはず、だったのに。
･
毎朝1番早くに教室に入って
自分の席でヘッドホンをして好きな音楽を聴いている私
こんな時間には居ないはずの彼が机に荷物を置く音がして
dn「Aちゃん！」
音楽を流していても聞こえるくらいの大きさで
私の名前を呼ぶ。
その声の大きさに驚き、私はヘッドホンを外す。
「…えっと、どうかした？」
dn「昨日の放課後、何してた！？」
「…え？なんでよ」
dn「…いいから答えて！」
「…塾に、居たけど」
dn「…あれ？ほんと？なら…僕の見間違いかな」
「…なんの話？」
dn「あ、ごめん！音楽聴いてたよね、もう続けていいよ！」
…何なんだ、いきなり。
それだけ言えば彼は教室を出てどこかへ行ってしまった。
…私は嘘をついた。
本当は昨日の放課後、塾に行っていない。
…もしかしたら、彼は見てしまったのかもしれない。
私は彼のことをよく知らないけど、
きっとあのことを面白がって
周りに言いふらすような人だとは思わない。
だけど、知られたら知られたで面倒くさそうだから
私は嘘をついた。
それなのに、この日以降
彼は私に話しかけてくるようになった。
彼が遅刻ギリギリに登校することは無くなり、
毎朝、2番目に教室に入ってくるようになった。
相変わらず寝癖はぴょんぴょん跳ねたままだけど。
そして、教室に入ってきた後すぐに
dn「Aちゃんおはよう！」
必ずそう話しかけてくる。
dn「ねぇ、Aちゃん聞いて！」
なんて言いながら私が付けているヘッドホンを外し、
1人で楽しそうにペラペラ話し始める彼。
だけど、普段積極的にクラスメイトと交流しようとしない私への計らいなのか、他のクラスメイトが教室に入ってきたら彼は必ず教室から出ていくんだ。
…ほんと、よく分からない。
君は、どうしてそんなに私に構うの？
…何で、私に話しかけるの？
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紗良(プロフ) - あおさん» コメントありがとうございます（т-т）このくぷすパートは絶対こういう系で書くって決めてました！😹 最高なお話だなんて、、もうそうやって言って頂けるだけでとても嬉しいです😭これからも良ければ読んでくださると嬉しいです🥺💖 (8月19日 18時) (
レス) id: 24b5647c5f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - くぷす編切なすぎて泣いてます😭毎回最高なお話しありがとうございます🩵🙏🏻 (8月19日 14時) (レス) @page32 id: b42a38ca21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗良 | 作成日時：2023年8月3日 14時
