宮と図書室 ページ6
.
授業が終わると、私は図書室へ向かった。
教室は騒がしいし、本は好きなので過ごすのに最適な場所だと思う。
図書室のドアを開けると、まばらに人がいるだけで
うん、ここで過ごそう。
前の学校では近代文学が中心においてあったので、漫画やライトノベルなどが置いてあるのが新鮮で面白い。
図書室をぐるぐると回っていると、日が当たる場所を見つけた。
そこには少し大きな机と椅子が何個か置いてある。
ためしに座ってみることにした。
椅子もちょうど良いし、何より日当たりが心地よい。
見ていて気になった本でも読もうか、と思って一度席を立ち、その本を探す。
「…あっ、た」
その本を手に取り、戻ると
そこにいた。
「……残念イケメン…」
私が先程座っていた場所に、あの顔見知り(まだ分からないけれど)がいる。
うつ伏せで、寝ているように見える。
すこし嫌になる。
どうしようかなあ、あそこで過ごそうと思ったのに。
私が見つけたんだけどなあ。
とか思いながら、本棚の影に隠れ本を読む。
意外と面白くて、隠れていることも忘れて読んでしまっていた。
「……お前…」
「…？何でしょ…う」
突然後ろから声をかけられたので、その方向へ向くと
いた。
.
.
「残念…イケメン…」
なんだか顔を合わせずらいと思ったので、即座に本で顔を隠してそう言った。
「そう呼んでくれるなよ
俺はさとみ。覚えた？」
「さとっ…」
嘘だろう。
いや、嘘であってくれ。
顔も瓜二つで、名前も一緒だなんて
もしや、ドッペルゲンガーというものなのでは…？
なんて信憑性もない。
というか、気づかれる前に逃げた方が良いのではないだろうか。
「すっ、すみません」
一言謝ってから、小走りでその場をあとにする。
もとあった場所に本をすっと戻して、そのまま教室へ戻る。
いやいや、普通校ライフを壊されたらたまったもんじゃない。
図書室も中々危険な場所だ。
…教室引きこもりになろうか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 583人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るり(プロフ) - 今日ほんとに見返してたところの更新だったので嬉しかったです泣 この先のお話とかめちゃくちゃ妄想してるので、いつかお話になるの楽しみにしながらこれからも見返そうと思います！ (2021年1月14日 0時) (
レス) id: 1011553aa4 (このIDを非表示/違反報告)
月雫 runa - 完結おめでとうございます！！ 最初から最後まで楽しめました！ (2020年3月22日 12時) (レス) id: 7dc9d510f6 (このIDを非表示/違反報告)
おとは(プロフ) - はじめまして！スゴくよかったです(*^_^*) (2020年3月18日 7時) (レス) id: 083a813a8f (このIDを非表示/違反報告)
さくり@歌リス(プロフ) - ヤバい！最高でした(@_@) (2020年3月16日 22時) (レス) id: 0cd51e6ec6 (このIDを非表示/違反報告)
響（おと） - すき。 (2020年3月16日 11時) (レス) id: e976740a08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：田鈴 | 作成日時：2020年1月2日 17時
