我らモテたい系男子だ！ (ページ17)

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(光)

どうにかこうにかテストが終わった。

大ちゃんや薮とまでは行かないが

俺も近年稀にみる勉強っぷりを発揮した。

そして今日、昼休みにテストの順位表が張り出された。

大「入ってるかなー」

慧「ドッキドキだね」

大ちゃんも伊野尾も自信たっぷりの様だ。

自信たっぷりな二人が羨ましい。

大「俺、先に見てくる！」

慧「なんで？普通に見えるじゃん１０位あたりまでは」

大「見えねぇんだよ」

慧「あ・・・ごめん・・・」

大「謝るな！」

光「あ、今なら見えるよ。ほら！」

と順位表を指をさして、三人とも固まった。

驚くなかれ、我ら３人全員が２０位以内に入ったのだ。

光「奇跡だ・・・」

大「奇跡だね・・・」

としか言いようがない。

大ちゃんが２０位。

俺が１９位。

そしてなんと伊野ちゃんが

慧「１０位か」

大「伊野ちゃん！どういう魔法を使ったらあんな点数取れるの！？」

慧「いや、普通だよ普通。」

大「普通!?」

慧「そんな事より、二人ともよかったね」

光「よかったよ、本当に」

大「本気だしたら、どうとでもなるんだね」

・

放課後。

部室には行かずに、２年の教室に行くことにした。

万が一にでも薮、もしくは高木が２０以下に落ちていたら

ハリセンで叩きの伸ばすためだ。うどんの様に。

「あ、有岡大貴。」

大「やめてください!」

２年の廊下を歩いていると

何故か度々大ちゃんの名前、しかもフルネームで呼ばれる。

雄「あ、ズッコケ三人組」

高木は薮の教室の前で、鞄を背負って立っていた。

大「その名前なに!」

慧「そんな事より、薮は？」

大「そうだよ薮くん！」

雄「そこにいるよ」

高木が薮のいる教室の中を指さす。

教室では薮が一人、ポツンと外を眺めていた。

まるで少女漫画に出てくる、恋に悩む乙女のように。

・・・誰だ、あれ。

大ちゃんお得意の大声で、薮の名前を呼ぶも反応なし。

雄「ずっとあの調子なんだよ」

慧「どうしたんだろうね」

大「やーぶーくーん！」

もう一度呼ぶも、反応ゼロ。

光「大ちゃん、注文の品」

大「ありがとう光くん」

光「じゃあ行こう」

俺と大ちゃんは音をたてないように静かに教室に入り

四つん這いで薮の席の近くに行く事に成功した。

ふぅーとため息をつく薮。

まだ俺らに気が付いていないようだ。

光「大ちゃん」

大「うん」

光「せーのっ！」