非日常との遭遇 -Wonderland- (ページ4)

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「うそつきくんは、おうちあるの？」

「あるよ！」

「ないんだ･･わたしのおうち、来る？」

「行くよ！」

「そっか。あ、ねえ、

明日も、逢えるかな？」

「ぼく、明日はここにはいません」

「よかった！

じゃあ、うそつきくん･･また、明日ね」

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名残惜しそうなわたしに、

うそつきくんは、ラッパを吹いてくれた。

わたしは、立ち上がると、

うそつきくんに向かって

小さく手を振りながら、

ゆっくりと歩き出した。

歩きながら、わたしは

先刻起こったばかりの

不思議な出会いを思い出していた。

あれ、そういえば･･。

はじめて、うそつきくんの

声を聴いたとき、

わたし、確か──。

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そっか、うそつきくんには

全部、お見通し、か。

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自然と鼻唄を歌いながら

時にはスキップをして、

歩みを進める。

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そんなわたしの家に、

うそつきくんがやって来るのは

もうすこし、先のお話。

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「うそつきくん、いる？」

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「いないよ！」

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fin.